第6話 俺の夢は儚く散りそうだ
今日は日曜日......ついにきた、斬撃文庫の編集長 水野さんと会う日がッ......!
そして今、”カップヌードル喫茶”の前にいる、なぜ入らないかって? 入らないんじゃなくて、入れないんだよ......
この喫茶店の前には、イメージキャラクターのカップヌードル君がおいてある。
いや、別にいいんだよ、結構かわいいし、悪くはないんだよ。 でもさ、普通......置物使うよな!?
「いらっしゃいませ~」
カップヌードルの中から人の声が聞こえるッ......! はぁ、なぜこの店なんだろうか
俺は意を決して、カップヌードル喫茶のドアを開けると、
「いらっしゃいませ~」
カップヌードルのような顔をしている店員に迎えられ、無事に中に入ることができた俺は、水野さんを探そうと少し中に入った瞬間に、
「こっちヨ~ん、光ちゃぁ~ん」
そういっておくから手を振ってくるのが水野さん。
恥ずかしいッ......! なんであんなに大声出すんだよ、大人だよな? 大人なんだよな!?
「こ、こんにちは」
緊張していた。それもそのはず、水野さん、今日はメイクが半端ないッ......!
「光ちゃんね~かわいいわ~~ほんっと好みよ」
ゾクっ 背筋に冷たいものが走る。 もう、やだっ、この人苦手っ!
「今日は光ちゃんのために、仕事ほったらかしてきてるんだからン」
いや、仕事しろよ。
「あ、はい。それで、これなんですが。」
そういって、原稿が入った封筒を取り出す。
「これね、若い作家さんは大歓迎だわぁ~、私はねいくつもの作家を掘り出してきたのよたとえば
”転成したらラーメンだった件”とか”カモですが、なにか?” とかいろいろあるのよぉ~」
あの、「カモですが、なにか?」もなのか! 俺が一番好きな作品じゃないか、転ラーもおもしろいし この人見かけによらず、すごい人なんだ。
「じゃあ、見せてもらうわね。」
「今ですか!?」
「もちろんよぉ~」
目の前で自分が書いた小説を読まれるのはなんだか恥ずかしい。
「カップヌードルでお待ちのお客様~」
「あ、はい」
この店はカップヌードルしか置いていない......
__10分後......
「光ちゃん」
「は、はい!」
「この作品、全部ねっ! ぜ~んぜんだめ!!」
そう、笑顔で告げられたのであった。
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