第5話 そんなのお兄ちゃんが認めません!
「どうしたんだ?急に」
「ちょっと、ね」
おいおいおいおい、どうした七海、ちょっと様子がおかしいぞ?
でもそんなことより、そのピンクの熊のパジャマがかわいいな、抱き着きたいッ......!
ってこんなこと思ってないでなにか言わなければ
「え、な、なんだ? 悩み事か? 何でも乗ってやるぞ、でも、恋愛相談は無しな、俺は恋愛経験などないからな!」
俺は、むなしくも胸を張っていってやる。
「なんでそんなに堂々言えるのかはしらないけど、そ、そんなんじゃないから!」
なんでそんなに顔を真っ赤にするんだ、わかったぞ! 彼氏だな!? 彼氏なんだな!?
くっそぉ、俺の妹に手を出した輩は誰だ? 俺がぼっこぼこにしてやるわ! ってのは冗談だが、七海ももうそんな年か。 彼氏ができても、俺は七海が好きだぞ! 妹的な意味でだが。
というか、違うのならなんでそんなに、もじもじしているんだ
「じゃあ、なんなんだ??」
すると、七海は一冊の本、ラノベを取り出した。
「こ、これっ! 読んでっ!」
いや、そんな緊張して言うことでもないだろ、愛の告白かと思っただろ、期待した俺の気持ちを返せ!
「なんだ、本かよ、愛の告白と思ったじゃん、俺は七海のことが好きだぞ?」
「......!?」
七海は俯いてしまった。耳まで真っ赤になっている。
「もちろん妹的な意味で」
「.................」
え? 何この反応、俺悪いこと言ったか?え? まじ? あれ? あれええええええ??
すぐ、七海はこっちを向いて
「ふ、ふ~んそうなんだっ!へ~~」
「なんだよ」
「いいや~べっつにぃ~」
なんだそれ、でも少し安心したわ、何か変なこと言っちまったかと思ったじゃんか。
「七海、明日ははやいんじゃないのか? なんでも相談乗るから悩みがあったら言えよなっ? 恋愛以外だが」
「うん、ありがとね、兄さん。 じゃ、じゃあ! その本よんどいてねっ!」
そういってすぐ部屋を出て行ってしまった。 一体何なんだ、とういかこの本はなんだ?
『兄さんだけどっ愛さえされば関係ないよね!』.......ほんとうになんなんだよ。
今日一日はいろんなことがあったな、風呂に入ってサッサと寝るか。
............................
風呂にも入り、布団に潜り込む。さて、明日はどうしようかな、なんて考えながら
眠りについた。
「兄さん起きて。兄さん」
なんだ、夢の中で天使のささやきが聞こえる。
「ねぇ、兄さんってば~」
「うわっ」
体を起こすと、俺にまたがってる妹がいる
「やっと起きた! おはよ! 兄さん」
「おはよう」
って ええええええ!!?? なんだこれ、あぁ、夢かなんだ うん夢だなと思いながら もう一度、布団をかぶる。
「ね~~兄さん!!」
「うわッ!! どうした七海」
「朝ごはん!」
「あ、あぁ、わかった」
どうやら夢じゃないらしい。なんてことだ。七海がこんなに優しくおこしにくるなんてッ......!
そんなことに感動しながら、下に降りて、いつもより輝いて見える七海の朝飯を食べる。
「じゃあ、今日は夜まで帰らないから、お昼は冷蔵庫にあるのチンしてね」
「ん、わかった。気を付けて行けよ。」
「いってきま~す」
「おう、いってらっしゃい」
......なんでこんなに今日は機嫌がいいんだ? も、もしや、きょ、今日の予定は彼氏ッ......!
そ、そうだよな、いるよな、もう。だって、成績優秀で運動ができて、その上美人ときている......
やっぱほっとかないよな~、彼氏とデート......そんなんだったらお兄ちゃんいや~~
桐崎○二 並みに、いやがらせしてやる。
そんなかんだで一日をなんとな~く過ごしていたら、もう七海が帰って来た。
「ただいま」
「お、おかえり!」
どことなくしょげて見えるのは気のせいだろうか、しかもいつにもまして胸が小さく見えるような......気のせいか
「今日、兄ちゃんが夜飯作ったからな! 一緒に食べようぜ」
そうなのだ、今日くらいはと思い、俺が夕飯を作っておいた。
「ごめん、外で食べてきた」
そういうと、七海は二階の自分の部屋に戻ってしまった。
「ああ、そうか」
まじかよッ......!!! せっかくメシ作ったってのにくっそおおお
萎えて 異世界放浪するぞ! オラ!! もう、なんもできない 疲れた。もう寝よう
明日は......あの人に会わないとだしなぁぁぁぁぁ!
会いたくねぇえええええ
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