「汁」を直接吸えるように

まあいいや、ライトバージョンで考えてみよう。おそらくハードバージョンは間もなく翻訳が出る(であろう)ハラリさんの次の著作に出ているのだろう。


すると、自慰行為じゃなくて、アート系の感動はどうなるのか。無論、同じように共有できるだろう。チャンスザラッパーみたいな気前のいいミュージシャンはミックステープ作ってる時の自分の興奮を、世界中のファンたちに無料で共有させてくれるはずだ。深夜、覚悟して脳内のストリームボタンをオンにするファン。瞬間、シカゴから産地直送された物凄い量の新鮮なドーパミン、っていうんだっけ、アドレナリンか、まあなんかそういうのが脳内に溢れかえり、危険なぐらい心臓がドキドキし、しかし同時に「このために自分は生まれたんだ」的な確信を得るほどの超ド級の興奮。感動。


これは止められん。止められんし、チャンスザラッパーのCD(無いんだっけ)を聞こうなんて気には、まったくならなくなるだろう。つまり、。もう音楽なんていうまどろっこしい媒介は要らない。その「汁」を直接吸えるようになった以上、音楽、文学、映画、絵画、その他のアートもろもろ、無用になるだろう。


もしかしたら言葉も要らなくなるのかな。でもなんかキッツいよな、言葉がないと。ダイレクト過ぎる。実家の母の心中をよぎる寂しさ、老体のしんどさ、そういったことが、母子が「繋ぐ」だけでチョクでビンビンに分かっちゃうのは、なんというか、お互い、嫌なもんじゃないか。そこら辺は、技術的に可能であっても、不要なんじゃないか。じゃあ「感じる」レベルを制御するか。「感じてもらう」レベルも制御するか。「私の設定は、味覚系をレベル3〜5までの友人と80%まで共有、あとは、旅行に行くとき、視覚系を家族と恋人とだけ90%共有、それ以外は全部非公開にしてる」みたいな感じ?

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