どう考えても、アートは死滅する
とりあえずアート系に戻ろう。てかその話だけでいいや。だから結局、アートは消えるの? アーティストの「汁」をチョクで吸えるから? っていうか、そうなったらアーティストって誰だよ、ってことになるわな。人より感受性がいい人、って言っても感受性なんかいくらでもコントロールできちゃうからな。「うざいから道端の花にはいちいち感動しないように設定するわ、俺は」「でも俺、宇宙とか好きだから、夜空にはガンガン感動MAX設定」。
ということでどう考えても、アートは死滅するな。体内チップ&脳内共有系の未来は。
いや、そうか? ショーヴェ洞窟の手形にしろ、ライオンマンにしろ、ああいうのはもしかしたら、人と何かを共有したかったって言うより、なんつーか、「祈り」じゃん。アートは、究極的には、コミュニケーションじゃなくて、祈りなんじゃないのか? つまり、相手がいてもいなくても存在したのがアートなんじゃないか?
こんな話はきっと、さんざんいろんな所で議論されたことだろう。ググれば簡単に出てくるのかも。クッツェーの『恥辱』にもあったな、コミュニケーションだのなんだのうるせーんだよ、言葉ってのは交信ツールなんかじゃなく、もともとは歌だったんだ、歌ってのは空っぽの魂を埋めるためのものなんだよ、と。すばらしい。
クッツェー系で言えば、アートは死滅しない。共有されようがされまいが関係ないから。
そうか? それもどうかって感じ、するなあ。
「祈り」にも対象はあるのか。ただ見てる相手がちがう。つまりお前とは別に共有されなくてもいいけど、でも何か、普遍的な何かとは、この歌を通して繋がりたい、みたいな。
いや、だから、その普遍的な何かが中央コンピューターじゃんか。普遍性なんて他に何があるんだ。
いや、そうじゃない。「祈り」は、常に「ここじゃないどこか」「ここにいないだれか」を想定するのだ。ていうか、そう想定しないと「祈り」が出てこない。歌が。
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