インドで聞いた怖い話その4 ドッグレース

 今回もバラナシの彼から仕入れた話です。これは噂話ではなく彼の体験談ですので実話になります。


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 インドの町には野良犬が沢山いてそのほとんどが狂犬病のキャリアなのだそうだ。僕も野良犬を沢山見たけれど、地球の歩き方の警告に従って犬には近づかないようにしていた。

 バラナシの町並みは端から端まで築地市場をもっとごちゃごちゃして汚くした感じと聞いた。観光客は100メートルも歩くと東西南北が判らなくなり迷子になってしまう。なので彼は町を散策する場合は方位磁石を片手に出歩いたそうだ。(ガンガーまで出れば自分の位置を確認できるから)


 彼がぷらぷらと散策しているといつのまにか路地裏に迷いこんでしまった。また迷子になったなとリュックから方位磁石を出そうとした時、一匹の野良犬が近づいてきた。彼が犬を刺激しない様に警戒して、犬を迂回しつつその場を離れようとした時、犬に吠えられた。彼は驚いて走り出してしまった。走れば犬は追い掛けてくる。世界共通の約束事である。運の悪いことに走ると同時に他の路地からも野良犬が次々と出てきて、みな吠えながら追いかけてくる。彼は死を意識したそうだ。50メートルくらいごちゃごちゃした路地裏を必死に走り、行き止まりにぶつかった。彼は手に持っていたリュックを投げ捨て、路地の塀をよじ登って犬の牙からギリギリ難を逃れた。リュックは数匹の犬に引き千切られ、ぼろぼろになってしまった。塀の向こう側はお店の裏側だったらしく店主に説明して逃がしてもらったという。

彼のインドにおける一番怖かった経験だそうです。


※リュックの中に食べ物を入れていたのだそうだ。バラナシでは食べ物を持ち歩くのはご法度ですね。それから犬に噛まれてリタイヤする旅行者が結構いるらしい。インド旅行の際にはご注意を!


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