機内
さて初フライトである。ベテランパイロットも最初のフライトがあるように、この藤原新也の弟子ともいうべきすがおにも初フライトはやってくるのである。離陸する瞬間を見届けようと窓の外を凝視する。飛行機が滑走する音が変わる、尻が浮く、おお、すがおはたった今空を飛んでいる。俺は鳥になった。FLY FAR AWAY! こんな子供じみた感激に浸ったに違いない。実は何分20年前のことなので覚えておりません。ここのところ創りました。スチュワーデス(今はFAね。昔の呼び名のほうがどこか淫靡でいいのだけれど、どうして変わったのだろう?)のおねえちゃん達の記憶もない。きっと記憶するほどの人はいなかったのだろう。さて機内で語るべきことはひとつだけである。すぐ隣の男もバックパッカーで年齢は一つ下の学生だった。話してみると、彼もインド初旅行ということで多少不安な面持ちだ。よし、年上のお兄さんがリードしてあげよう(ストップ! 変なこと想像しちゃダメ)。とりあえず彼(鈴木君仮名)とすがおはデリーを一緒に過ごすことにした。旅は道連れというからね。
そんなこんなでニューデリーに着陸。着陸間際に機内の窓から覗いた印象では赤い大地だったことを記憶している。飛行機から降りると熱気で息が苦しくなるほどであった。カレーの匂いが充満しているような気がした。
※もちろん日本に比べて気温は高いけれど、想像していたほどではなかった。日本の特に暑い日と大差ない。ただしそれは雨季に訪れたからであり、3~5月ころの暑季は溶けるほどの熱気ならしい。旅の終わり頃に知り合った長期滞在中の二人組の女性がこぼしていた。
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