第29話
おれは腹が一気にグウと鳴った。
いただきます、とおれが言いかけると理子が口を開いた。
「あのう、この料理を作ったのはオオゲツビメさんですよね?お米はどこで?」
なぜ理子はそんな質問をしたのだろうか。
「米はこの高天の原で収穫したコメです。葦原の中つ国のどんな銘柄のコメよりも美味しいですよ。それ以外はこのオオゲツビメが腕によりをかけて作りました」
タケミカヅチは胸を張ってそう言った。
「そうですか・・・あのう、こんなこと言うのもなんなんですけど・・・ごめんなさい私、いまダイエット中で・・・あと、やっぱり少し疲れてるのかな、食欲があんまりなくて・・・。お米だけ少しいただきますね」
理子はそう言って頭を下げた。
ダイエット中?そうだっけ?まあ、いいや。ん?理子がしきりに目配せしてくる。どういうことだ?意味がわからない。
「そうですか・・・残念です。では私は次の料理に取り掛かりますので失礼いたします。ごゆっくり」
そう言い残して大月さんは部屋から出ていった。
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