第11話

 「それがあるんだなー。知る人ぞ知る場所が。行ってみたら驚くよ。フジロックフェスだって山の中でやるでしょ。それとタケオくん、神様はね、意外とにぎやかなことが好きなのよ。特に音楽ね。アマテラスオホミカミが天の岩戸にこもった時も、アメノウズメっていう女の神様が音楽に合わせて踊って、見ている神様はみんな大喜び。まあ、アマテラスオホミカミを岩戸から引き出すのが目的だから、フリもあるんだろうけど、それ以上に楽しんでいたのよ」

 「へえ、神様って案外人間みたいなところがあるんだね」

 「人間みたいっていうか、ほとんど人間よ。一部の特別な神様以外、生まれたからには年も取るし、いつかは死ぬ。もちろん、特殊な力を持っていたり、寿命が少し長かったりするみたいだけど」

 「なんだか本当に神様がいるみたいな言い方だね」

 「うふふ、私はいても不思議じゃないと思うんだけどな。あ、パーキングで休憩しよう。お腹すいたでしょ。それから、タケオ君、次は運転ヨロシクね」

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