世界をかえるつもりはない
歌から出た話。
今回は、安藤裕子の「世界をかえるつもりはない」で。
昨年末、帰省前にたまたま聴いて書きたいなぁと思っていたのだけれど
思ったより時間があいてしまって年明けの今更になってしまった。
この曲は年の瀬の寒い夜にイヤホンで聴くとじわじわくる。
歌を歌う時、腹から声を出すといいと小さい頃に学校で習った。
この曲での彼女の歌い方を聴いていると、その意味がよくわかる気がするのだ。
「世界をかえるつもりはない」実にいいじゃないか。
時折、このままでいいのかという不安や焦燥感に駆られてよく考えもせずに無謀なことに手をつけてしまいそうになる時がある。
例えば、毎日が平坦すぎたり、しがらみが強すぎたりして疲れてしまって「選ばなかったもう一つの道」をつい考えてしまって落ち込んでしまう時。
例えば、周りの皆が続々結婚していったり出産したり、いいところに転職をキメたりとスムーズに物事が進んでいるのに、自分はどこかつまらないことで躓いてしまっているように感じてしまった時。
世界の片隅に一人だけが取り残されて心が寒さに凍え、「早くなんとかしなくちゃ」って、もがけばもがくほどにドツボに嵌って「もうだめだ」ってパニックを起こし自棄になって、(本当はそんな気なんてさらさら無いのに)全てを終わらせてしまいたくなる。そんな時に、彼女の絞り出すような叫びのような歌声を聴くと、ほんの少しだけ踏み止まる力が出て来て「まぁ、今日はやめておいてやろう」という気になってくるのだ。
「届けたいのだ 君の元へ」
十分に届いているよ。
「あいしてます」の意味は今も全くわからないけれど、「踏み止まる」のも
もしかしたら「愛」のうちの一つなのかと考えてしまう時はある。
気持ちを表す言葉は、どうしてこんなにいつも不完全なのだろうか。
「世界の片隅で叫ぶほどの 言葉なんて何も持たないけど
この狭い部屋の片隅で君が今も 笑っているなんて素敵だもん」
なんてね。
今年もよろしくお願いします。
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