ゴーゴー幽霊船

歌から出た話。今回は、米津玄師の「ゴーゴー幽霊船」を。

以前地元の友達が「これいいよ」とカラオケで歌ってくれたのがきっかけで聴いたら思いの外よかった。まさかこんなに有名になるとはあの時は思わなかった。

先見の明がある友達SUGEEE。

先日知り合いとお茶していて音楽の話題になり、米津玄師の名前が出たので久々に聴いてみたのだった。


最近の曲は慣れて洗練されてますます上手くなったなーとは感じるけど、この時期の剥き出しの勢いが堪らなく好きだ。ギラギラした音が歌詞にマッチしている気がする。この人の曲は、頭に映像としては出てくるけれど言葉には出てきにくいのが特徴だとも思う。言葉という切り分けるツールが向かないタイプの曲が多い。

映像や音としてはくるけれど、言葉にした場合にはあまりにも境界が溶け切っていて曖昧すぎるのだ。そこが良さでもあるのだけれど。


例えば「vivi」や「ピースサイン」も好きだけど、うまく書けないし言葉が出てこないのはその性質のせいなんじゃないだろうか。歌の世界が「言葉」という玄関なしで丸ごと迫ってくる。聴く世代によっては、恐怖に感じるんじゃないだろうかこの感覚。そういう意味でも新しい時代のアーティストだなぁと感じる。


「遠い昔のおまじないが あんまりな嘘だと知るのさ」


音楽は全てをどろどろに溶かし、新しい時代の風と声をその背中に乗せながら今日も走っていく。


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