光について

歌から出た話。

今回はGRAPEVINE の「光について」を。

鬱屈したミスチルとか呼ばれていたGRAPEVINE 。

実はあんまり真面目に聴いたことがなかったGRAPEVINE 。

話題が出たので久しぶりに聴いてみたら、今の気持ちにドンピシャだったので

書くことにした。


なんでこの歌詞を「光について」なんて付けたんだろうなー

意味わかんないなー、と聴いた当初は思っていた。

今回、聴きなおしてやっと意味が分かった。

きっと、歳を取らなきゃ分からない類のものだったんだろう。


歌詞が意味深だけど、頑張って(バンドが売れて)手に入れた光景は

想像したものとは全然違って、そのギャップに少しガッカリしたけれど

受け入れて、背中を押して「そこにある」ことを決意した歌と言われたら納得できる。そういう経験だったら、みんなひとつやふたつはあるはずだから。

部活だったり、進学だったり、就職だったり、恋愛だったり。


「そうきっと急ぎつかれたんだ ほんの少し

情熱を 抱えたままで立ってたのさ」

わかる。

熱を抱えたまま、どうしていいか分からずに立ち尽くす感じ

自分でも熱を持て余して、放出の方向や仕方だけがすっぽり抜け落ちて、忘れちゃうんだ。そうなると今までと同じようにまた走ろうとしても、足がもつれて走れない。

私はいつもその繰り返しだ。

歳を取って少しはこなれてきたつもりだけど、変なところで小石に躓いて

みんなのようにはうまくいかない。

人生の最短パスがわかればもっと要領よく生きてこれたはずなんじゃないかと

時折両手をじっと眺めることがある。



「何もかも全て受け止められるなら 誰を見ていられた?

涙に流れて使えなかった言葉を 空に浮かべていた

いつもいつも 心はただここにあった」


何もかも全て受け止められないから、苦い感情に胸を焼かれたり

執着に身を焦がしたりしてのたうち回るんだ。

そんなの、わかってるよ。

だけど「誰」って、誰なんだろう。


それが分かったら、私はもう少しだけ大人になれるのかもしれない。


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