君の銀の庭

歌から出た話。

今回は、Kalafinaの「君の銀の庭」を。

そう、まどマギ劇場版のEDだ。

今日久しぶりにもっかい観てニヤニヤしてた。反逆がやっぱ、一番いい。


最近のアニソンは普通に聴いてもいいものが多いなぁと思う。

リズムは軽くて童謡みたいだなー、声かわいいなーと思って聴いていたら

アニメ自体のように不穏な歌詞で、初めて聞いたときは若干ドン引きした。

だけど、迷いがある時には、なんとなく聴きたくなるから不思議な曲だ。

この曲が好きだなんて、元々破滅願望でもあるのかな、私…

とか少し考えてしまうことがある。


インタビュー記事で、銀の庭は主人公の理想の世界、っていうのを見て

なんだかわかるなぁ、って思ってしまった。

女の子そのものだもの、これ。

嬉しさも悲しさも純粋さも、嫉妬も依存も狂気も

ぐるぐる混ざった不安定な心をきれいな箱に閉じ込めて

可愛くラッピングした「女の子」。


映画タイアップ曲だから勿論、映画のストーリーに合わせて作ってあるのだけど

映画のストーリーをよく知らなくても、心がどこかざわざわとする。

歌い方という訳ではない。

子供の頃、初めてサーカスや遊園地に連れていって貰った時に感じた

微かな怖さや、隠れた悲しさというか、どこか影のような感覚を髣髴とさせるのだ。

直感的に感じる類のものだ。


この曲を聴くと、私の「銀の庭」は一体何なんだろうなぁってふと考えてしまう。

全てを失ったって構わないって思うほどの理想

狂信的に、盲目に信じたいほどの理想

誰にも渡したくはないっていう執着

手に入れられるのであれば手段なんて問わない

どんな手間だって厭わない

明日なんていらない、今日さえあればいいという狂気


「そんなものが見つからないから、日々の生活を送っていけるのだ」

とホッとする私がいる反面、

「そうなってしまえれば、どんなにか生きてゆくのは楽なのだろう」

とも同時に考える私がいる。


そんな葛藤を引きずりながら、どこまでも歩くのだ。

心の中の旅路に、伴侶はいらない。

正確には、連れて行きたくても誰も連れていけないからだ。

だから自分に言い聞かせるように言うのだ。

ただ、それだけの話だ。


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