section1 突然の事ですが巨乳になりました。 part3
「皆様おはようございます!」
私はもとの時代でやっていた通り、元気な挨拶をしました。
が、しかし。ライラスさんはもう知っていたので特に驚きはしなかったみたいです。おじさんの方は違和を感じたのか少し顔をしかめましたが、そこまで大きく反応はしてないみたいです。問題なのはあのお兄さん。その反応により、何故私があの人に僧侶っぽいという印象を抱かなかったのか。それを知って後悔してしまったほど理解してしまいました。
「え、まじ?あの、アリアが?男勝りで、誰に対しても強い当たりのアリアが?敬語を使った......?え、皆さん信じられますか?あの、あのアリアがですよ?敬語を使ったのですよ?こんなのありえます?同じくらいありえないことがあるとするならば僕は......」
これ以降彼は延々と自分自身が思うありえないことについて列挙していきました。最初はなんとも思わなかったのですが、だんだんヒートアップしていく彼の話に、なんというんでしょうか、うざったらしさを感じ始めました。それとなくやめてもらうように軽蔑の気持ちを込めた目線を向けてみます。すると、それに気づいたのか、だんだん彼の話のスピードは落ち、ついには話をやめて下さいました。そして、彼は、
「いつもはうるさい!と怒鳴るアリアに今日は静かに軽蔑の視線を向けられる......なんだろう。これじゃないという違和感しか感じないのだが、何故かその目線が癖になりそう......」
「おいヘンリーてめえそっちの素質があるのかよ。というか人の説明聞こうとせずに勝手に話を勧めんじゃねえよ」
「すんませーん」
ライラスさんに止められましたが、全く反省してないようです。これは先が思いやられます。そしてライラスさんは改めて話し始めます。
「まずアリア、どうやら記憶喪失になったみたいだから改めて紹介しよう。まず、俺はライラス。よろしく」
「よろしくお願いします。」「そしてこのいかつい男の人はガンドウさん。」
「......記憶喪失に性格変化か。面倒なことになったな。」
「はい......」
やはりこの人、怒ったらとても怖そう。というか既に怖いです。が、その怖がっている様子を見てライラスさんは、
「ああ、アリア、心配ないよ。ガンドウさんはこういう見た目でこういう雰囲気だけど、根は優しい人だから。戦士として俺たちを守ってくださるし。少しコミュニケーションが苦手なだけだから」
その言葉を聞き少し安心しました。なんだ。少し親近感をもてそうです。
「そしてこのマシンガントークバカ野郎はヘンタイだ。」
「おい何言ってんだライラスバカとか変態はないだろうというか名前間違えてるしまあマシンガントークは認めるけどそれは「はい黙ろうか」すみません......」
この人マシンガントークしなければ死んでしまう病にかかってらっしゃるのですね。それなら仕方ありません......あれ、この表現どこかで見たような。まあ気にしたらきりがないですからやめておきましょう。
「まあ、彼の名前はヘンリーだ。僧侶をやってればいてこのパーティーのヒーラーを俺と一緒にやってくれている。回復の時には頼るしかないが、まあ仕方ないな」
「ひどいいいようだな」
「普段の行いが悪いせいだ」
なるほど、この方はヘンリーと言うんですね。あ、この人こういう感じなので私も呼び捨てにすることに決めました。
「こいつは知識やうんちくが豊富で、マシンガントーク噛まさなければ気が済まないようなうやつだ。まあ、ごくごく稀に奇跡的にマシンガントークで語られた知識が役に立つ時もあるけどな。」
「いやかなり役に立ってると僕は思うけど」
「いやうるさいのが大半だ」
「すみま千円二千円」
「どこのネタだよ」
「いやね、これはどこかにある東洋の」
「あー聞いた俺が馬鹿だったもう言わなくていいぞー」
「しょぼーん」
うーん、ヘンリーはウザいけどこの人も根はいい人なんですかね?
皆さんいい人で、しかもなんだかんだで賑やかそうですから、仲間外れは心配しなくて良さそうですね。
「んで、アリアはどうしてこうなったんだい?考えられる可能性として記憶喪失とか人格の交換とかが考えられr」
「起こったことをありのまま話すから考察は後にしてくれ」
ヘンリーさんのいつものあれをライラスさんはかわすと、アリア、つまり今の私の身に起こった異変についてガンドウさんとヘンリーに話しました。すると、ヘンリーは
「なるほどね。つまりアリアとしての記憶は今のアリアにはなくなっていて、人格がわからない誰かになってしまった、てことだね。興味深い。」
「まあそういう事だ。理解が早くて助かる。」「記憶喪失といえば有名な伝説にこんな話があって......」
まーたヘンリーは語りだしました。
「もう無視していいですかね?」
ライラスさんに尋ねると、
「まあいいんじゃね?いつもそうしてるし、前のアリアだってそうしてたから。本当にうるさいと感じていたら前のアリアは怒鳴り散らして止めていたけどね......」
本来の彼女を思い出していたのか、ライラスさんはあははと苦笑いしました。苦笑いするほど強い口調で滅多打ちにしてたのでしょうね。いつか見てみたいです。
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