第1章 The trouble~私はなぜ生きているの

section1 突然の事ですが巨乳になりました。 part1


 私は、悪夢を見ていました。

 それは、終わりのない悪夢でした。


 苦しい......苦しい......


 その悪夢に私は苦しめられています。


 私の仲間たちが、私の、家族が。


 次々と現れ、私に心無い言葉を浴びせる。そんな、悪夢でした。


「お前は無能な魔法使いだ」


「お前は向上心のない奴だ」


「お前の魔力は異質なものだ」



「お前は、この世界に存在してはならない人間なんだ」


 私の父が最後に出てきて、こう言い放ちました。その一言にとどめを刺され、私は壊れそうになる。


「うわああああああああああああああああああああああああ!!」


 みんな、どうして私をそこまで貶めるの?

 みんなはそんなこというような人じゃなかったよね?

 あの時の言葉は嘘だったの?




 そしてお父さん、何故私をそこまで異物として扱うの?

 私が使う魔法が、みんなと違うから?私が、簡単に覚えられる魔法をなかなか覚えられないから?


 私が、落ちこぼれだから?



 私は、泣いていました。

 夢の中で。真っ暗な、この終わりのない悪夢の中で、泣いていました。

 誰か、助けてよ......この苦しみを、終わらせてよ......


 その時、一筋の光から手が伸びてきました。凛々しい女性の声と共に。


「しょうがねえな。誰だかわからねえが、こっちに来い」

 私は手を伸ばし、その手を掴みました。

 そして、光の中へと引きずり込まれ、目が覚めたのでした。






第1章 The trouble〜私はなぜ生きているの








 悪夢から目覚めましたが、とりあえず訳が分からないです。

 何が訳分からないんだよ、ですって?まず、この古めかしい宿屋の内装。悪夢から目覚めたら見知らぬ光景ってだけで訳分からないのに、身体にも違和感があるのですよ。

 あ、自己紹介が遅れました。

 私の名前はマリーと申します。機械と魔法が入り交じった世界で、ある一団の魔法使いとして冒険者稼業をやらせていただいてます。

私の身長は低く、胸も小さいのでリーダーからよく変な目で見られます。

 しかし、この自己紹介は既に意味のないものと化しています。まず、周りの景色。まるでタイムスリップしたかのように機械がある様子が微塵も感じられません。本当にタイムスリップしてしまったのでしょうか。というかそこにカレンダーがありますね……。えーと、日付を見てみると、明らかに数百年前ですね。本当に訳がわかりません。

 そして、身体の違和感。何故か、重い。胸が、重い。今までなかったものが突然現れ、困惑しています。しかも何故か記憶にジャミングがかかっていて、もとの時代のことでも思い出せることと思い出せないことの両方があります……。例えばリーダーが変態だというのは覚えているのに肝心の名前が出てきません……。



 今私は宿屋の一室のベッドの上にいます。壁は石レンガで、床が木の板。ベッドのそばにはテーブルで、そのそばには見た事のない荷物がたくさん置いてあります。しかし、その荷物の中には私が使っているものではないものの、杖と魔導書が。

とりあえず訳が分からないです。

 まさか別人になってしまったのですか?まさかそんなこと、起きるはずがありません。もしそんなの起きてしまった時は隕石がふってくるでしょう。冗談ですが。

 とりあえずこの疑いを晴らすため、とりあえず鏡を探してみます。あ、あったあった。のぞき込んで見ましょう。

 するとどうでしょう。目の前に映っているのは、茶髪ストレートの、ナイスバディをした女の子じゃあありませんか!我ながら大人の魅力に満ちていて、見惚れてしまいそうです。


「って違います!これ私の身体じゃあありません!」


 私は思わず叫んでいた。

 その声は、自分の声ではありませんでした。

 ....ということは、つまり、これは、他人の身体....。


「んぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 本当に誰かの体になってしまいましたよ!どうしましょう!何でこうなったか分かりませんし、本当に訳がわかりません!!


 あー、あー、落ち着きません!部屋の中をさっきからうろちょろしていますが、全然落ち着きません!!


 どうしよ、どうしよ。


 とりあえず、こんな時は何しましょう?

 とりあえず、胸を揉んでみましょう。少し憧れていましたし。


 両手をたわわに実った胸にあて、ゆっくりと揉み始める。揉んでいくうちにだんだんうっとりと落ち着いてきて、なんだか少しずつ気持ちよくなってきました。


 もみもみ。もみもみ。


 今まで感じたことのなかった大人の快楽に溺れてしまいそうです。いつかは、自分の胸で出来るといいですね。って何を言っているんだ私は。これだと私が変態みたいじゃないですか。


 と、こんな変な事を考えつつ胸を揉んでいると、突如大きな音が聞こえてきました。それは、床を踏み鳴らす音で、その音の主はだんだんこちらへやって来ているみたいでした。


 そして、部屋のドアが突如開け放たれ、金髪が立っていて一筋黒髪が入っている、少し逞しそうな男の人が入ってきました。


「おい、大丈夫かアリア!!突然叫び声が聞こえてきたからびっくりしたぞ......って、自分の胸を揉んで何をやっているんだ......?」

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