第7話:パラダイスなメンバー

 パラダイスのラウンジでは、

先輩もオレもガックリ来ていた。


 ヒゲの先輩は、ポツリと、

「おっちゃん……、終わったよ

。全部、燃え尽きた………。」

 まるで、ホセ・メ○ドーサとの

死闘の後のあしたの○ョーの

ような格好で座り込んでいた。


 おいおい、オレはおっちゃん

じゃね~し………。


 灰みたいに燃え尽きて貰(もら)っちゃ

困るンですけど………。

「ど~すンですか~ーーー!!

ボクの10万円。」

「え………?」

 先輩の目は虚(うつ)ろだ。


 女王キララ様は、両足をテーブルに乗せ、

「身体で返してもらったら~。」

 と無責任な事を言った。


 え~ーーーー????

「ン、じゃぁ」

 とヒゲの先輩はヨロヨロと

立ち上がって、パンツを脱いだ。


 ケツが露(あら)わになった。

キララ様、巨乳ダンサーは手を

叩いてはしゃいだ。


「や~れ、や~れ………!!」

 おいおい、何の<やれコール>だ。


 BLじゃね~ンだ。

 これは………!!


「キャ~ーー、ここでやる気~ーー」

 アイドルのチカは手で顔を

隠した。


 でも指の隙間から覗いてるだろ。

 って、そんなのん気な事、

言ってられるか。

「うっっわ~ーーーーー、

冗談じゃないですよ。

い~ーーーですって。」

 オレにはその気はない………。

 増してこの状況で公開エッチ

なんか、死んだってゴメンだ。


「いや、それじゃ、オレの

気持ちが済まねえ。」先輩。


「いやいや、先輩の気持ちなんか

、ど~でも、いーーーですっ

て………。」


「遠慮すンな。」

 いや、遠慮する。猛烈に遠慮する。

 何がなんでも、遠慮する。


「ま、何事(なにごと)も

経験だと思って………。」

 ヤス。お前は面白がってンだろ。

 この状況を………?

 今にも笑いそうじゃね~か。


「痛くしね~ってさ。童貞

ボーイ。」とキララ様。


 巨乳ダンサーは、笑い転げていた。

 そんなに可笑しいか………!?

 この状況。

「とにかく、お金は返して

くれないと困るンです。

住むトコないンですから~。」

 切実なお願いだ。


「っだっから、オレの部屋に

住みゃぁいいだろ。カギも渡して

あンだし。」


「そ~いう問題ですか~。

何で、ボクが初対面の………、

パンジー先輩と一緒に住むンですか~。」


「パンジーじゃね~よ。

バンジーだ。」

 え……、あ、チンパンジーの

パンジーかと思ってた………。


「そ、」オッパイ見えそうな巨乳ダンサーが、

「野蛮人だから、バンジーね。」

 と教えてくれた。


 も~、たわわなオッパイにしか

目がいかない。


 だが、そんな事はどっちだっていい………。

 今は10万だ。

 オレの10万………?

 どうする………。

「ど~して、ボクが~!!」

 泣きたい気分だ。


「ま、成り行きだな………。」

 バンジー先輩。


「そんな……、株のディーラじゃ

ないんだから………。」


「ま、よろしく、童貞ボーイ。」

 自信有り気に握手を求めてきた。


「童貞じゃありません。」

 半(なか)ば強引に握手をさせられた。

「お前な~、よく考えてみろよ。

 この状況で考える思考能力は

残ってね~って………。


「たったの10万で、こんな美女のオッパイじゃなかった………。

 美女が一杯のここでシェア

出来るんだ。」

 え………?オレは、その言葉に周りを見回した。

 キララ様、巨乳ダンサー、

アイドルのチカ。

 とソウソウたるメンバーだ。


 う~ン、確かに、美女の

オッパイ………。


 いや、いっぱいいるここで、

暮らすのは悪くはない………。


 いや、むしろ天国。

 それこそパラダイスだ。

 どうしよう………。


 このまま流れに身を任すか……

…。

























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