第6話:パラダイスはお好き・02

 パラダイスのラウンジでは、

ポーカーが行われていた。


 オレの大事な10万が……。

 ヒゲの先輩は、惜し気もなく

その10万を賭けた。


「お~し、キララ様ー、これで

勝負だ。もう一丁来い。」

「え、あの……、待って下さいよ

……。」

 ボクは気が気じゃない。


「大丈夫だって、勝ったら倍に

して返すし~。」

 と軽い調子で先輩。


「負けたら踏み倒すし~」

 と巨乳ダンサー。


 ええ~ーーーーーーー❗!!


「いいから、早く続行だ。」

 オレの気も知らず先輩は強気。

「い~ねぇ。そう来なくっちゃ。

 キララ様の目がギラギラ。


 そんな……、

 オレは、もうオシッコが

漏れちゃう前のトイレの行列に

並んだ気分だ。

 ソワソワ、ドキドキ。


 先輩は、3枚交換した。

「ハッハハ、よ~しショーダウンだ。」

 と勇んでカードを広げた。


 オレは身を乗りだし戦況を

見つめた。

「ハッハハ、オレの勝ちだろ。

6のスリーカードだ。」

 お~、スッゲ~手だ。

 スリーカードなら、まず勝ち

だろう。

「マジかよ・・・」

 巨乳ダンサー。

 あの…、乳首見えそうですけど

……。


「マジ、マジ~?」

 アイドルも首を傾けた。

 キララ様も手持ちのカードを

握ったまま動かない。


「悪いな。じゃ、コレで

全部チャラな。借金は!!」

 両手をクレーンのようにして、

賭け金を全額持って行こうとするが、

「待ちなよ。」

 キララ様がその手を押さえた。


 え、まさか……?

 オレの心配を他所に、

ドSマンガ家キララ様は、

ゆっくりと一枚一枚、カードを

曝(さら)していった。


 皆、固唾を飲んで見守っている。

 クイーンが一枚、二枚とめくられた。

「バカな……?」

 ヒゲの先輩に苦悶の影。


「フ……!」

 キララ様は笑って、最後の

カードをめくった。


 クイーンだ❗!!バカな……?


 クイーンのスリーカード!!!


 オレの頭は真っ白だ。

 ど~なるオレの10万……。


 ど~するンだ。オレ……?


 先輩~ーー!!

 どうするンですか~ーーーーー

ーーーーー!!!!
























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