第10話「僕と私の初体験」

 僕は吹雪としてであるがプールを満喫した。

 ウオータースライダーも予定通り滑ったし、いうことなしだった。

 だが、その翌日妙に身体の調子が悪かった。

「もしかして、昨日はしゃぎすぎたのかな?」

 女性の身体だから気を付けていたんだけど、と僕は考えていた。

 その時はもう少し気を付けた方が良かったのかなと考えたが、

それは僕の思い違いだったと分かった。

「とにかく、今日はゆっくりネットサーフィンでもしようっと」

 僕はとりあえず色んなssを読み漁ったり、肉じゃがを作ったりして過ごして居た。

 そうして僕がトイレに行った時、僕はある異変に気づく。

 無論トイレは立ってできないし、終わった後拭かなきゃいけない。

 だが僕に起こった異変は別の物だった。

「股から血が……!?」

 女性なら誰しも起きることなんだから異変というには語弊があるかもしれない。

 しかし男の僕が『女の子の日』を経験するなんて思ってもみなかった。

 とはいえ一応心構えだけはしていたので、すぐに冷静さを取り戻した。

 精神はともかくとして、脳みそは女性の物なわけだし。

 入れ替わりの最大の謎はその精神はどこに入っているのかという物だが、

もうそれは哲学的な物になってしまうので何もいえない。

 現実に起きたことが全てであるため、精神と脳は別物という結論にはなるかもしれない。

 あるいはこの入れ替わりは科学法則を越えた超常現象なので、

精神の在処とかそういうのは関係ないのかもしれない。

 いずれが正しいかも僕には分からないため、それについては医学や科学の進歩を待ちたいと思う。

 ともかく話を本筋に戻すと僕は股から出た血をトイレットペーパーで処理し、

買ってきたナプキンを装着した。

 こういう時慌てないよう予行演習もしたので、僕はすんなりナプキンを付けることができた。

 TS物なんだからこういうのは慌てるのがお約束だろという人も居るかもしれない。

 しかし今は寮内だからよかった物の、お出かけ中に慌てたら目も当てられないことになるのは明白だ。

 だから慌てないようちゃんと練習しといたのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る