第9話「僕と私の食事事情」
僕は流れるプールで泳いでいたが、休憩時間になったのでとりあえずプールサイドで何か食べようと思った。
水着はワンピース型で、お尻のポケットがボタン式なのでそこに硬貨を入れていた。
お札なんて入れたらびしょびしょになって使えなくなるし。
コインロッカーに入れておけばいいだろという意見もあるかと思うが、
一々コインロッカーに寄るのは面倒なのだ。
「アメリカンドック一つと、オレンジジュース一つ」
夏の風物詩といえばプールサイドにある売店の食べ物だ。
特に僕はアメリカンドックが好きだ。
するとかながこういってくる。
「吹雪、何か最近ジャンクフードばっかり食べてる気がするよね」
「気のせいじゃないかな?うどんとかカレーライスも食べてるし」
これは本当にそう思った。吹雪は食事に気を使っていたのだろうか。
僕も彼女が外食してる所を見ていないので何ともいえないが。
「私の前ではそういう物を良く食べてるよね?」
それでか。確かにかながいる時はそういうのを食べていたが、その時はそういう気分だっただけだ。
僕だって栄養バランスには気を付けているし、食費を浮かせるため自炊もやっている。
もっとも、レシピが載っているようなサイトを見て見よう見まねでつくっているだけだが。
それでもそれなりに美味しい物は作れていると自負している。
なので僕はかなにこう返した。
「それはたまたまだって。『記憶喪失』になってから性格変わったのは認めるけどさ」
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