第6話「僕と私の生活環境」

 ともかく僕はかなと一緒にショッピングセンターで買いものしており、そこで白いワンピースを買った。

「でさ、生理用品どうするの?」

 そんなかなに僕は返した。

「確かに、この年齢だしね。タンポンは事故が怖いしナプキンにしようかな」

「その辺は慎重なのね」

 意外そうなかなに、僕は頬を膨らませた。

「女の子の身体がデリケートなことは、かなが一番知っているよね?」

 かなはそれもそうか、といった具合に返す。

「『記憶喪失』のくせにそれは分かるのね」

「一般的にいわれていることだから、さすがに分かるわ」

 で、とかなは続ける。

「これからどうするの、吹雪?」

「そうだね、制服でゲーセンに行くのはさすがにまずいし」

 僕はかなに連れられ制服でショッピングセンターに来たのだ。

 寮がある都合上、校則で制服によるショッピングセンター通いは禁止されていない。

 一々寮まで戻って着替えるのは流石にめんどくさいだろう、という配慮だからだ。

 だが、さすがに制服のままゲーセンに行くのは吹雪に悪いと思った。

 自分の身体であればついでにゲーセン通いをしても問題ないだろうが、

吹雪は有名人なので何があったのかと思われかねなかった。

 記憶喪失な時点で今さらな感じもあるかもだが、それとこれとは別問題なのだ。

「じゃあ、もう帰るの?」

「いや、ご飯を食べて帰るよ。バクドナルドをね」

 そんな僕にかなは釘を刺した。

「ダブルバーガーは頼んじゃだめよ」

「分かってるって。そもそもそんなに食べれそうにないし」

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