第5話「僕と私の金銭事情」
僕はかなに連れられ、ショッピングセンターに向かっていた。
「とりあえずはファッション店に行かないと」
「でも私そんなお金ないし」
吹雪は別に金銭的余裕がないわけでないが、入れ替わっている間はお互い予算の範囲で使うよう約束している。
僕はファッションにお金かけるよりは、ゲームや映画にお金を使いたかったのだ。
「見るだけでもいいのよ。女の子が全くファッションに興味ないんじゃいけないわ」
それもそうかと思う。吹雪にも一着くらいは新作の服買って置いてほしいといわれていたし。
「じゃあ、一着選んでくれるかな?私『記憶喪失』だからそういうのは分からないの」
「意外と乗り気なのね」
「女の子は自分を引き立たせたがる物だからね」
僕は基本的に服をファストファッションで済ませていた。
彼女は居なかったし、作る気もなかったからだ。
そういうのは最低でもある程度進路が決まってきてからの方がいい、と僕は思っていた。
お互いに高校二年生なので、そろそろ入試試験しないとだったし。
もっとも、吹雪は芸能界からスカウトを受けているらしいが。
ともかく、僕は女性服売り場に居た。
「このピンクのドレスとかどうかな?」
「派手すぎないかな?こういうホワイトのワンピースとか」
そんな僕にかなはいった。
「案外、センスいいのね」
「別に、テレビとかでそういう特集があったから見てただけだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます