第7話 ガンツの紹介先

 装備のほうは大きく作られてたのだが、伸縮魔法が組み込まれてるらしく、すぐに僕の体にフィットした。


 また、バッグのほうにはなにやらたくさんものが詰め込まれているようにも思えたが、それほど重くもなくバッグを背負ったままでも戦闘には支障はなさそうだ。


「装備と、バッグについて簡単に説明してやる。まず、装備の鎖かたびらに関しては、服の中に着込んでおくだけで充分効果を発揮するだろう。また、腰の剣は鉄の剣でランクはEだが結構もつし大丈夫だ。」


 聞いた話では、人が作ったものにはランク付けがあるらしい。一番下はFであり、最上級はSとなっているらしい。


 「そして、次にそのバッグについてだが、そのバッグには収縮魔法と重力魔法がかかっていて、重さもほぼ感じなく、中には合計100キロまでのものをいれることができる。」


 さすがにこれには驚いた。そんなにも価値があるものをくれるというからだ。


「まあ、命の恩人っつうのもあるけどよ、ひとえにあんちゃんを好きになったからだ。」


 ..........うむ.........


「ガンツ、あいにくだがな.....僕はそっちの気はない!!」


 きっぱりと断ってやった。これでどうだ!!


「おままま、違うわ、ボケ」


 なに!?違ったのか。それはホッとした。よかった。


「そもそも、子供がいる時点で女以外に興味ないだろ!!ってなに言わせてんだ!!」


 いや、そっちが勝手に言ったんだろうに......やれやれ


「何だ、その顔は!!まあ、いい!それよりもだ。ヒロト!!その服結構目立つぞ?」


 ....?.....どういうことだ?僕の服?ほかのものとなんら変わらないはずだが?


「どういう意味だ?」


「どうもこうもその服、とっても高そうに見えるぞ!!」


「?」


「いいか!普通庶民の服はごつごつしてるんだよ。おまえのは貴族様でも着てないような上質な何かでできてるっつうわけだ。」


 なるほど....この世界では技術が進歩してないぶん、僕たちの世界のものが高級品に見えてしまうのか。たかが、ユニコロで揃えた服なのに.....


「というわけでだ。さらに、サービスだ。俺の知り合いの服屋に紹介してやるから見繕ってもらえ!!」


 そう言われて、ガンツに連れて行かれたところはこれまた大きな服やであった。もうすっごくリア充どもがいそうな高そうな店だ。


 ガンツは仕事があるそうで、僕に手紙を託してもどっていった。僕は店に入ってとりあえず店員に手紙を渡す。


 すると、店員はあわてて店の奥のほうに駆けて行った。なにか、僕しちゃったかな?





  しばらくすると、きれいな女性がもどってきた。うむ。すごいいい香りだ。


「きみが、ヒロト君かい?」


「はい、そうですが...」


「うむ。あのガンツがついに私の店を紹介してくれたあああ!!」


 あ、これ絶対ガンツとこの人幼馴染かなんかだけどガンツがノリに乗れなくて敬遠されてたやつだな。僕は、瞬時に悟った。


「なんか、私たちの関係がわかっちゃったみたいだね...君は賢そうだ。」


  あれ?顔に出てた?


「顔に出てた?見たいな顔をしているぞ!!ほんとうにかわいいやつだなぁぁ」


  そういって、僕の頭をくしゃくしゃっとなでてくる。なんか、お母さんがもどってきたみたいで心地いいけど店の真ん中でされると少し恥ずかしい。


「まあ、それはおいといてだ。ガンツが私に紹介とともにひとつ頼みごとをしてきた。」


  頼みごと?なんだろう?


「たぶん、君が家を持っていないことを悟ったんだろう。君を私の家に棲ましてほしいとこの手紙に書いてあった!」

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