第9話
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時間はとまり、まだ魚は跳んでいます。
音楽は元々宗教と密接な関係がありました。そして人類は宗教と共に生きてきました。僕らが生きている2017年もそうです。
いくら無宗教を決め込んだところで、サラリーマンは奢ってもらった上司に店を出ながら、踊るようにお辞儀をします。
アルビレックスのサポーターは残留をねがい、祈るような気持ちで仙台戦を見守ります。今日も負けたようですが。
僕ら人類は音楽を使って、上手にお金儲けしてきました。もっと強い刺激を求めて、もっと新しい表現を求めて、次から次へと音楽は生まれ、消費されてきました。
昔はライブを再現するのは紙の楽譜の役割でした。それがレコードとして誰でも音楽を再現できるようになり、人類は映画を発明します。ラジオと言う電波媒体が確立されやがてテレビの時代が来ます。お父さんのブルーバードには8トラックのテレビマンガ主題歌のカートリッジが1本だけ積まれて繰り返し聴いたものです。少年はカセットテープに「夕べのひととき」を録音し持ち運び、デートをする頃になると車にはCDチェンジャーが積まれて自動演奏されるようになります。昭和橋の継ぎ目では音飛びがしたものです。MDが音飛びがしないと喜んだものですが、どういうわけか一瞬でMDの時代は過ぎ去り、ハードディスクだのMP3だのDVDだのブルーレイだのと
魚がぽちゃんと音を立てて、川面に波紋を残して潜って行きました。
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