第8話

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ねえ、君はジャズって言う音楽を知っているかい?僕は2017年の世界から未来のジャズがどうなっているのか気になってやってきたんだ。僕の文章を読んでいる人も一緒だよ。


やっぱりそうだったんだね。君たちが毎日やっている歌声のリレーが、この時代のジャズなんだね。


カムチャツカの少年は簡潔な受け答えで、僕らの知りたい事を教えてくれます。おそらくこの時代特有の変わり果てたロシア語なのでしょう。


彼はこんな事も教えてくれました。


おばあちゃんがいつもぼやいているそうです。昔どこかの国の誰かが余計な事を言ったせいで、ジャズはこうなってしまったって。昔はジャズは楽しいものだったのに、今はちっとも楽しくない。って。


さあ、座ろう。もう少し話を聞かせて欲しいな。


見て。関川と保倉川が合流しています。とっぷりと日は暮れて、釣り人もいなくなったようです。


時折波がチャポンと音を立てます。カラスが鳴いて、見上げると夕陽が落ちた場所よりいくらか左の空に、細い三日月が浮かんでいます。


魚が跳ねて、時間が止まります。


僕はこの先の事を君に聞くのが怖い。でも聞きたい気持ちを抑えられない。そうか、やっぱりそうだったのか。


ジャズは宗教になってしまったんだね。

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