第7話
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大西洋を渡り切ったらブラジルに上陸してベネズエラ、コロンビア、パナマ、コスタリカ。ホンジュラス、ニカラグア、メキシコ。
ニューヨークに行きたいか!?なんてクイズ番組もありましたが、今回はアメリカ合衆国は南部と西海岸だけです。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、アンカレッジ。アラスカ湾にも海をじっと見つめながらトゥーーーーーーーって歌っている人が大勢います。
カムチャツカの港で、トゥーーーーーと歌っている少年と目が合いました。そうか、君は僕のことが見えるんだね。
やあ、僕はイトパンっていうんだ。2017年の日本から、意識だけ、やってきたんだ。君の名前を教えてくれないか。そうか。いい名前だね。なぜ君は西に向かって歌っているんだい?そうか。わかんないか。わかんないよね。知ってる事を少しづつ、教えて欲しいな。
一緒に飛べるかい?行くよ、えいやあ!
ほら見てごらん、地球が回っているのが見えるだろう。
トゥーーーーーの声を追いかけて、時には先回りして出迎える事もあったけれど、トゥーーーーーーの歌声のリレーで世界は1つになっているんだね。こうしている今も地球の自転に合わせて、ちょうどサーカスでクマが玉のりをする様に、トゥーーーーーーの歌声は鳴り続けているよ。太陽が地球を照らし終わる、その境目で。
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