第36話モブキャラだってデュエルくらいする4

「クソッ!俺の姫が山馬のモンスターになっちまった!」

「もうちょい普通にゲーム進行できないもんかね・・・」

クソみたいな茶番によって頭が働かなかったが、この状況はまずいのではないだろうか。

なぜなら・・・

「フゥン・・・これで貴様のモンスターのDPは元通りだ!」

そう、姫の効果によって上がっていたDP(童貞ポイント)が元に戻ってしまったのだ。


「くっ・・・だがお前のセンテンスナイトのYP(ヤ○チンポイント)は1900、俺のモンスターの破壊は不可能だ!」

「クックック・・・そう・・・このままならな・・・」

「なっ・・・」

「魔法カード発動!『融合』!」

「もう遊○王のカードそのまんまパクってるよねこれ」


あまり遊○王に詳しくない俺でもこのカードの効果は知っている。

フィールド上に存在する2対のモンスターを合体させることによって、新たに強力なモンスターを一体召還するという効果だったはずだ。

やっとカードゲームらしい戦術が出てきた。

このカードならさっきみたいな茶番はないはず・・・

そう思ってフィールド見ると


『姫ちゃん以外とお酒強いんだね』

『え~・・・そんなことないよぉ~姫ぇ~結構酔っちゃった~』


いつの間にか完全に飲み屋帰りの二体のモンスターがそこにはいた。

二体のモンスターの周りには飲み屋や、怪しげなホテルがいくつも投影されている。


『じゃあもう一軒いっち・・・あっ!ヤベッ!』

『・・・どうしたの?』

『姫ちゃんゴメン!姫ちゃんと飲むの楽しすぎて終電の時間過ぎてたの気づかなかった!』

『えっ?・・・あ~本当だ~!・・・これじゃあ帰れなくなっちゃったぁ・・・』

『ッべーな・・・これッべーよ・・・ここら辺はもうホテルしかないし・・・』

『あたしは・・・いいよぉ』

『えっ?マジで!?ジーマーで!?』

『・・・うん』

『Huuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!じゃあ俺の融合テク姫ちゃんに披露しちゃおっかな!』

『もう!アキラ君ったら!』


そして二人は一軒のラブホテルで融け合う夜を味わうのだった・・・




「いや融合ってそういう感じでやんの!?」

想像していたのとはまるで違った。

思っていたよりもこう・・・リアルに融合というか合体していた。

「実はこのゲームリアル描写にこだわりすぎてR-18になってしまったんだ」

「いらねぇよそんな生々しいこだわり!てかR-18だったらお前らプレイできないだろ!高2だろお前ら!」

「くっ・・・融合プレイの内容にもよるけどこれで相手に強力なモンスターが召還されてしまう・・・」

「こんな融合の末に生まれてくるモンスターなんて見たくないよ・・・」


そんなことを言っていると突然ラブホテルが光りだす。

「いでよ!我がしもべ!


ブルーアイズ・パリピドラゴン!」

激しい光を放つラブホテルから出てきたのは・・・


『イェー!今日の昼からBBQしようぜぇーーー!あ、来週の日曜はフェスな!イェエエエエエエエエエエ!』


トンボのようなくそデカイ黒いグラサンをかけ、車の中でEDMを音量全開で聞いてそうなパリピだった。


「くっ・・・よりによってブルーアイズ・パリピドラゴンになってしまうとは・・・」

「ブルーアイズとドラゴン要素はこいつのどこにあんの!?」

「フゥン・・・グラサンで隠れて分からないかもしれないがこいつはブルーのカラコンをしている・・・」

「カラコンの意味・・・ドラゴン要素は?」

「聞いて驚け・・・こいつは喧嘩が強く地元でドラゴンと呼ばれていた・・・と、自称している」

「想像以上に名前の要素軽いな!」

『ウェェェェェェイ!朝までパーリーしちゃおうゼーーーー!』


果たしてこのような姿になったことを進化と呼んでいいのかわからない。

しかし、このモンスターの登場によって状況が悪化しているのは遊一の顔見ればわかった。

「まずい・・・ブルーアイズ・パリピドラゴンのYPは3000、俺の理系童貞では歯が立たない・・・」

まさしくその言葉の通り、フィール上にいる2体の童貞はパリピに怯えて隅っこでこそこそ話している。


『チッ・・・ほんとパリピとか氏ね』

『SNSで炎上すればいいのに・・・』


隅っこでこっそりと悪口を延々と言い続けているが、立ち向かう気はさらさらないようだ。

だが、さらに山馬は畳み掛ける。

「ここでターンエンド・・・と言いたいとこだが、まだ俺のターンは終了していない!」

「何ッ!」

「装備魔法発動!『なんか黒っぽいオシャレな服』をブルーアイズ・パリピドラゴンに装備!」

山馬の言葉と共にフィールド内のパリピドラゴンの服装が変化する、そう・・・『なんか黒っぽいオシャレな服』に。

「このカードの効果によってパリピドラゴンのYPが500アップし、さらに落ち着きを得る!」

「え?・・・落ち着き?」

言葉の意味がわからない。

YPのような数値が上昇するのはなんとなく分かるのだが・・・どういうことだ?

ふとパリピドラゴンのほうに意識を向けると


『諦めなければきっと夢は叶う・・・』


確かに先ほどの騒がしさから一変してとても落ち着いている。

・・・気のせいだろうか、どこかでこんな人を見たような・・・そう・・・テレビとかで・・・

俺が必死に記憶を遡っていると、山馬が続けてカードを一枚こちらに見せる。


「さらに魔法カード!『増殖』発動!」

「なっ・・・そうか・・・山馬・・・お前の考えがわかったぜ・・・」

「フゥン!今さらわかっても遅いわ!このカード効果によってパリピドラゴンと同等のチャラ男をフィールド上に召還することができる!来い!」

山馬の号令と共に光輝くフィールドに新たなスーツを着たパリピドラゴンが6体出現した。

「7人の黒スーツを着たチャラ男・・・来るぞ!モブオ!」

「え?何が?」

「7人のチャラ男を生贄にすることで特殊召還する!現れよ!」

デュッパ、デュッパ、デュッパというEDMが辺りに響き渡り、赤、緑、青のライトがめまぐるしく辺りを彩り、フィールド上が白い煙に包まれた。

煙の勢いはすさまじく、何も見えない・・・いや、辛うじて7人のランニングマンを踊っている男の影が見える。

そう・・・その7人とは・・・


「リアル・エンタテイメントを追求する伝説のユニット!○代目!ピーソウルブラザーズ!」


・・・このゲーム早く誰かに怒られないかな・・・


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