第30話 戦隊ヒーローだって愛車にこだわりはある4
『クソッ!こんなタイミングで怪獣が現れるなんて!』
全くだ、なぜ5人組戦隊ヒーローのしょうもない相談に乗っただけなのに、こんな危険な事件に巻き込まれなきゃいけないんだ。
一刻も早く逃げたいが、これは人間の足で走って逃げ切れるものなのだろうか。
この採石場まではバスを乗り継ぎ、最後は20分ほど歩いてきた。
人通りはほとんどないし、何よりこんな騒ぎが起こっているのだ、近くのにいた人たちも逃げいている最中だろう。
一体どうすれば・・・
『モブオ君!そこの山の近くに隠れているんだ!』
レッドの声がロボットから聞こえた。
「っ!」
俺は言われた通りすぐさまや山の近くまで走った。
やはりポンコツといえど非常事態のプロ、こういうときは頼りになる。
『よし、想定外の事態だがコイツの試運転にはちょうどいい!いくぞ!』
『『『おう!』』』『お・・・・オロロロロロロロロ』
レッドと他四人の掛け声が聞こえる。
1人は吐いているようだが。
どうやらジャスティスファイブはあのロボットで怪獣を退治するようだ。
一方こちらに向かっている怪獣だが、ようやく姿を見ることができた。
4足歩行で角が2本、尻尾が生えている土色の肌の化け物だ。
大きさはロボットよりも少し小さいくらいだろう。
これから自分の命を脅かすかもしれない怪物を見てから全体が震える。
画面越しではなく、いざ現実でこういった怪獣を目にするとここまでの恐怖に襲われるとは思っていなかった。
だがここには正義の味方、ジャスティスファイブと5人が操縦するロボットがいるのだ。
きっと大丈夫に違いない。
ロボットの右手に馬鹿でかいバイブが装備されているがきっと大丈夫だろう。
そう信じるほかなかった。
そしてついにロボットと怪獣が対面した。
お互いの攻撃があたる距離、先制攻撃をしたのは
『いくぞ!ブラック・ペ○スソード!』
名前は最悪だがあの大きさの棒で叩かれれば怪獣もひとたまりないだろう。
ロボットが振りかぶり、右手に持った黒ペニを怪獣へと叩きつける!
ぺちっ
そんな気の抜けるような音が聞こえた。
「へっ?」
もっとすごい衝撃と音が襲ってくるのかと身構えていたが拍子抜けだ。
一体何が起こったのか?
それはロボの黒ペニを見てすぐにわかった。
「あっあれは!黒ペニが・・・小さくなってる!」
さっきまで4階建てのビルほどの大きさだった黒ペニが今では見る影もないくらい小さくなっている。
いや、小さくなっているというよりも・・・
フニャフニャになっている。
『クッ!マズイわ・・・長時間ブラック・ペ○スをガチガチのしていた反動でエネルギーが切れてフニャフニャになってしまったわ!』
「クソみたいな欠陥兵器じゃないですか!!」
『仕方ないでしょ!どんなチン○ンだっていつかは縮むのよ!この世界に永遠なんて存在しないの!』
「これ何の話してんの!?」
相手の怪獣もこのしょうもないピンチを見逃さなかった。
即座にロボットへ角を使った体当たりを仕掛ける。
ドオオオン!
ロボットは吹き飛ばされ、俺の近くの山に衝突した。
とてつもない衝撃と土煙が辺りを包む。
「げほっげほ!」
あまりの土煙で周りが何も見えず、息を吸うこともままならない。
衝撃と土煙がおさまったとき目を開けるとそこには傷ついたロボがそこにあった。
一目見た感じでは致命的な故障はなさそうに見える。
しかし、唯一の武器が使えないとなってはどうしようもないのでは?
そんな不安が頭をよぎる。
しかし、5人はあきらめていなかった。
『クッ・・・仕方ない・・・みんな!最終兵器を使うぞ!』
『なっ・・・正気かレッド!?あれはまだ調整中だぞ!』
『調整中でも使うしかないよブルー・・・明日もカレーを食べるためにはやるしかない!』
『フフッ・・・そうね!やってやろうじゃないの☆』
『オェツ・・・ウオッ・・・・オロロロロロロロ・・・・』
最終兵器?一体何をするつもりなのだろう。
その答えはすぐさまわかった。
なんとロボットは
右手に装備したブラック・ペ○スソードを自らの股間に取り付けたのだ。
「??????????????????」
そう、端的に言えばチ○コをロボットに取り付けたのだ。
何を言っているか分からないだろうが俺にもわかっていない。
いや、唯一つだけ分かったことがあるそれは、
このロボットが絶対に地上波に乗せてはならない存在になったということだ。
「一体何をしてるんだ・・・?」
そんな俺の心のそこからの疑問にレッドが答えてくれた。
『説明しよう!ブラック・ペ○スソードは一時的にエネルギーが切れたためこのようなしなびた姿になったのだ!そこでエネルギーを生成している股間部に取り付けることでブラック・ペ○スソードのエネルギーを充電することができる!つまり・・・これでブラック・ペ○スソードはムクムクになるということだ!』
「誰なんですかこんな最低なシステム考えたの!?」
『私です☆』
「やっぱアンタか!!」
そんな突っ込みを入れた直後だった。
さきほどまでしなびていた黒ペニが、ビキィィィンと先ほど以上に硬く反り立ったのだ。
エネルギーチャージの絵面は最悪だがこれで戦うことができるということか。
だが再び黒ペニが使えるようになったからといって、一撃でロボを吹き飛ばしたあの怪獣を倒すことができるのだろうか。
『安心したたまえ!俺たちの最終兵器はここからだ!』
「えっ?」
こちらの心配を見透かしたようにレッドの声が響く。
『行くぞ・・・エネルギーチャアアアアアアアアアアアアアアアアアジ!』
その叫びと共にロボットは再び動き出した。
左手を腰に当て、右手をブラック・ペ○スソードへと添える。
「これは・・・まさか・・・」
もしこれが俺の考えている通りならば、これほど最悪な出来事はないだろう。
だが現実は非常だ、俺の想像した通りの最悪がそこで再現されていた。
そうロボットは
ブラック・ペ○スソードを右手でしごき始めたのだ。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
もうこうなったらアレにしか見えない。
そう・・・例のアレだ。
とても俺の口からは言えないアレだ。
今すぐにでも止めねば。
「おいいいいいいいいいいいい!今すぐそれをやめろおおおおおおおおおおおお!この小説をR-18にするつもりかあああああああああああああ!」
『何を慌ててるんだ!?これは最終兵器を使うための重要な』
「もう地球の平和とかどうでもいいからその行動を今すぐやめろ!!地球どころか今まさにこの世界が存続するかどうかの危機なんだよ!」
『安心してモブオ君☆このロボット早漏だからすぐ済むわ』
「いやそういう問題じゃなくて!なんでこんなこんな誤解されるようなことしてんだ!?」
『フッ・・・安心しろこれはこのロボットの右手に取り付けてあるエネルギー増幅装置を、ブラック・ペ○スソードにこすり合わせることによって、ソード内のエネルギーを増幅させ、そのエネルギーを俺たちの友情パワーと掛け合わせて発射する最終兵器Shining sacred infinity・・・略してSha・Se・Iだ!!』
「ネーミングも相まって余計悪いんだけど!」
『ちなみに発射される友情パワーはなんか白くてどろっとしたイカ臭いビームだよ☆』
「なんであんたらの友情パワーが合わさったら白くてどろっとしたイカ臭いビームになるんだよ!」
このままではマズイ、これ以上この小説の印象が悪くならないうちになんとか
『エネルギーチャージカンリョウ、ハッシャジュンビカンリョウ』
「ああああああああああああああああああ早漏すぎる!!」
『よし!行けええええええええええええ!ジャスティスロボ!Sha・Se・Iだあああああああああああああああああああああああ!』
ビュルルルルルルルル
そんな効果音が聞こえた気がした。
ロボットから発射された白い閃光はイカの臭いとともに怪獣を貫いた!
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
怪獣の悲鳴が轟き、次の瞬間
ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
と大爆発した。
もちろん怪獣は木っ端微塵だ。
後に残るのはイカ臭さだけ。
退治された怪獣がかわいそうで仕方なかった。
ちなみにこの戦いを録画した動画がYou○ubeにアップされたが、即座に削除されたらしい。
こうして世界は再び救われた。
ありがとう!ジャスティスファイブ!頑張れ!ジャスティスファイブ!
P○Aからの講義の電話が鳴り止むその日まで!
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