第8章

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 ひとまずエリオットの家へ戻る。まだ荒らされたままで全てが散らかっている。寝床にカテリーナを下ろした。

「お兄様――」

 丁度、体を横にしたときカテリーナが目を覚ます。

「エリオット、呼ばれてるぞ」とアンナ。

「大丈夫か?」

 エリオットがカテリーナに寄り添って手を握る。「本当にお前に迷惑ばっかかけて。ごめんな」

「いいんです」カテリーナがいった。

「本当にお前の妹か? 信じられない謙虚さと素直さだ」

「育ちが違う」とエリオット。「俺たちとは」

「言葉の重みが違うな。聞いてくれ」

「あぁ」

 エリオットは頷いてから「カレンはどこへいった?」とカテリーナに尋ねた。

「カレンは――、私と一緒に連れていかれました」

「一緒だったのか?」

「途中で別々にされました。私だけ教会に残されて、カレンはまたどこかへ連れ去られたんです」

「教会で別れたんだな?」

 アンナがいった。

「はい」

 カテリーナは頷いた。

「誰が連れて行った?」

「アルベール――、とか呼ばれていた人が連れていきました」

 カテリーナが記憶をたどる。

「カテリーナが言うから本当だ」とエリオット。

「それは私も同意だ。裏を取る必要がない」

「お兄様、ヘレンを探して。助け出して」

 カテリーナが上体を起こしながらいう。

「あぁ。もちろんだよ」

 エリオットはアンナの顔を見た。

 アンナは頷く。

「ちょっと出てくる。すぐ戻るから休んでてくれ」

 エリオットはカテリーナの頭を撫ででから立ち上がった。アンナと一緒に外へ。

「ヘレンの家は割れてる」

 外に出るとアンナがいった。

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