24「モンスターハンター」

 怪物がマイケル達に気付く。

 そして向かって来るが、その速さは日が出ている時よりも遅い。

 「遺跡にあった通りですね」

 マイケルは怪物を中心に、円を描くようにして車を走らせる。

 「いいぞ、撃ちまくれ」

 車を追う怪物にマイケル達は撃っていく。

 「効いてるのかこれ」

 「分かりません。ですが、撃つしかなさそうです」

 車内に銃声と共に空薬莢が散らばっていく。


 

 しばらくして、怪物は追いつけないと判断したのか、そこら辺にある岩を両手で持つ。

 「気を付けて、投げつけるつもりよ」

 怪物は腕を振り上げ、それを車に向かって投げつける。

 「クソ!」

 マイケルはハンドルを切り、岩を避ける。

 岩は車のすぐ横に落ちていた。

 

 マイケルはそのまま直進し、怪物の股下を通り抜ける。

 怪物は車を殴ろうとするが、その赤い手にカービンはショットガンを浴びせた。

 怪物その手を引っ込め、怯む。

 「おいマイケル!弾がなくなってきたぞ!」

 マルコは残り3つのマガジンの内1つをアサルトライフルに装填する。

 「ショットガンあるな?」

 「ああ、勝負に出るのか?」

 「そうだ、ショットガン構えろ。手に向かって撃て」

 マイケルはUターンし、もう1度怪物の股下を通り抜ける。

 さっきと同じ様に、怪物が殴り掛かる。

 「今だ!撃て!」

 その手に一斉に弾丸が降り注ぐ。

 怪物の手がもげ、血撒き散らしながら飛んでいく。

 マイケル達は、その傷口に銃を撃っていく。

 

 しばらくして、怪物は歩みを止めた。

 マイケルは車を止める。

 「何だ?やったのか?」

 怪物はそのまま前方に倒れる。

 その先には車が。

 「やばい、早く出せ!」

 マイケルはアクセルを踏み、3メートルの巨体を間一髪で避ける。

 「今度こそ大丈夫だろう」

 マイケル達は車を降り、銃を構えながらその怪物に近づく。

 そして1発、撃つ。

 「やったようだな」

 「よっしゃあ!」

 マイケル以外は、歓声を上げた。

 マイケルは落ち着いた感じで端末を操作した。

 

 しばらくして、空から黒い箱が落ちてくる。

 その箱には、ワイヤーが付けられている。

 ワイヤーは空に伸びていた。

 「なんですかこれ?」

 怪物の写真を撮ったハンセインが聞く。

 「おそらくフルトン回収システムでしょう。1999年に廃止されましたが、まさかまだあったとは」

 「装置さえあれば出来るからな」

 マイケルは箱を開ける。

 中には弾丸。

 それと白い手袋、小さなナイフと密閉できる円形の容器が入っていた。

 先に弾丸を取り出し、皆に渡す。

 マイケルは手袋を付け、ナイフで怪物の肉をえぐり取ると、容器に手袋とナイフと共に入れた。

 その容器を箱に入れ閉める。

 そして端末を操作する。

 すると、箱は空に舞い上がって行った。

 見ると、上にはヘリが止まっていた。

 「まだ帰さねえつもりだな」

 マイケル達は車に乗り、村に戻っていく。

 

 村に戻ると、グレスが真っ先に出迎えをした。

 『どうもありがとうございました、あなた達にどう感謝をしていいか』

 カービンはグレスにゴーグルを手渡す。

 村長はそれを着けた。

 「これは俺達の仕事だ。礼はいらない」

 「1つあるとすれば、静かに寝かせてくれということかな」

 「そうゆうことだ。俺達は宿に戻る」

 マイケルはグレスのゴーグルを外し、自分に着ける。

 そして、宿に向かった。

 その姿を村人たちは眺める。

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