第2節「サーイ村」

22「もうひとつの村」

 マルコ達4人はライトで通路を照らしながら進む。

 「ところで、この編成は大丈夫なのかしら?」

 マルコの他に、ベレッタ、ハンセイン、ゾラキが居る。

 「そう言えばこっちには関係者が居ないですね」

 「マイケルさんも私達も疲れているのでしょう。気が付けば良かったです」

 「まあ、出会った奴らを殺して、光物集めればいいんだろう」

 通路の奥に光が見える。

 「早速おでましか?」

 マルコ達はライトを消して通路を進む。

 

 次第に、会話が大きくなっていく。

 「何でわざわざパンデミック発生地に来なきゃいけねんだ」

 マルコ達は部屋に入る。

 「大きな仕事だ、仕方ないだろう。それに、ここにはゾンビは居ない」

 部屋の中に敵はあまり居なかった。

 話をしている敵の後ろに回り込む。

 「そうは言っても、すぐそこにはでかい街も…ぐあっ…」

 「どうした!?がはっ…」

 マルコとベレッタは2人の敵の首をほぼ同時に締める。

 「何だ!?」

 「あそこだ!誰か居るぞ!」

 敵がマルコ達に気付いた。

 弾丸がマルコ達に向かって飛び交う。

 マルコ達も応戦し、敵からの弾丸もすぐに来なくなった。

 

 マルコ達はその部屋を眺める。

 「ここも墓か」

 「ええ、この壺はいわゆる骨壷かしら?」

 ベレッタは近くにある壺を手に取る。

 眺めて見るが、中には何も入っていない。

 そして壺を元の場所に置く。

 「どうでもいいけど、こんな所からは早く出たい」

 ハンセインは遺跡を撮る。

 「そうですね、早く帰って一杯やりたいものです」

 「そうだな、一緒にどうだ?まあ、どうもマイケルがボスをどうにかしない限りは無理だろうだがな」

 マルコ達はライトを点け、先へ進む。

 「ゾラキ、マルコ、君達死にそうだが、大丈夫だろうな」

 「まあ、大丈夫だろう」

 階段を下っていき、しばらく進むと、また部屋が見えた。

 光も見えないので、マルコ達はその部屋に入る。

 その部屋からは通路は続いていなかった。

 

 少し前。

 マイケル達は通路を進んでいた。

 前方から、声が聞こえる。

 「敵はここに居る。迎え撃つぞ。なんとしてもスタイヤーの所には行かせるな」

 マイケル達はライトを消し、煙を炊き、部屋の中に飛び込む。

 四方から撃たれるが、マイケル達は素早く正確に敵を撃っていく。

 敵は10人。

 多かったが、マイケル達に怪我は無かった。

 「よし、これで全員か」

 『敵の数が多いな』

 「スタイヤーはこの先にいるようだね。だけど、少し部屋の中を見ていくよ」

 部屋を見て回る。

 しかし、特に珍しいものはなかった。

 「ダメだ、こいつらの銃も昔のものだ」

 「懐かしいといえばそうですけどね」

 「ところで、アン。その銃はどこで手に入れた?」

 マイケルはアンの持っているハンドガンを指差して言った。

 「こいつか?裏ルートさ」

 「詳しくは?」

 「政府の人間に言えるわけないでしょ」

 「まあ、それもそうだな」

 マイケル達は、その先の通路へと進む。

 

 次の部屋に着いた。

 「さて、お目当てはここの下の部屋のようだな」

 男の声が聞こえる。

 「なあ、アンさんよ」

 スタイヤーがマイケル達、特にアンを向いて言う。

 周りには数人居る。

 「こっちが当たりだったのね」

 「そう、君は間違っていた」

 『なあ、スタイヤーだっけか?おめえは何で宝を狙っている』

 マイケルはスタイヤーに翻訳して問いかける。

 「俺の先祖はサーイ族だ。だから俺が貰ってもおかしくはない」

 『お前はサーイ族なのか?』

 「そうだ。俺の名前はスタイヤー・サーイ・ファレンだお前も見たところサーイ族だな」

 『ああ』

 「お前も興味がないか?先祖が何を残したか」

 『無いね、それはここにあるべき物だろう』

 エルドは槍を構える。

 「そうか。まあいい、アン、お前は興味があるだろう。財宝に」

 スタイヤーは右手にスイッチのような物を持つ。

 「まさか!?」

 「そう、見せてあげよう」

 スタイヤーはそのスイッチを押す。

 すると、爆発がおき、床が崩れた。

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