13「アンチャーテッド」
マイケル達は次のシェルターへ向かう。
その途中、大きい装飾が施された建物に走って向かう人影を発見した。
「どうするの?」
「追うぞ」
マイケルはその建物の前に車を置く
そして、建物に入る。
白と灰と黒の幾何学模様の床。
入るとサヘラントロプスから現代までの人の模型が飾られている。
どうやら何かの博物館だろう。
右奥の方でゾンビの間を縫って走る人間が居た。
マイケル達はその姿を追う。
追いかけていると、岩が露出したトンネルに入る。
そしてある地点から岩には、模様や見知らぬ文字が施されていた。
『これ、己らの文字だ』
「サーイのか。ここはサーイ族の遺跡だったのか」
「そうだな、あの人間を追うぞ」
少し進むと、女性が居た。
東アジアの顔だが、黒人とのハーフだろうか少し黒い。
ジーパンに赤いTシャツを着て、腰にはガンホルダーが着いていた。
腕は結構筋肉質だ。
「そこで何をしている?」
マイケルが問いかける。
「ねえ、おかしいと思わない?」
女性は壁を触りながら言った。
「何がだ?」
「この先に小部屋があるだけ、他には何も無い」
壁の他には目もくれない。
すぐそこにもゾンビが迫ってきているのに。
「それがどうした?」
「こうゆう事」
女性は壁を押すと、そのブロックは奥へ行き、その辺りの壁は崩壊してしまった。
奥へと進む道が出現した。
「早く来るのよ!」
「おい」
マイケルが更に何か言おうとするが、それより先に女性は新しく出来た道を進んで行った。
マイケル達は小部屋で女性に追い付く。
「おい、そこの人」
「あたしかい?」
「他に誰が居るんだ?」
「あんた達、もしかして軍の連中かい?そうでない奴もいる様だけど」
女性はエルドやハンセインを見て言った。
「そうよ、貴方自分の意思でここに来たの?」
「そう、彼等も?」
「そうよ」
女性は後ろを向いて壁を見た。
「あたしはアン、アン・トカレフ。考古学者」
「一考古学者が、何でこんな危険な所に来るんですか?」
「トレジャーハントかな。簡単に言うと。だけどそれだけじゃない」
『それだけじゃない?』
エルドの言葉を翻訳して伝える。
「冒険心とでも言うのが正解かもね。死と隣り合わせが面白いのよ」
アンはもう1度マイケル達を見る。
「あれ?あんたもしかして」
エルドに近づく。
「エルドがどうかしたんでしょうか?」
「あんた、名前は?」
エルドに指さして言う。
『エルド・サーイ・ファマスだ』
「サーイ。あんた、サーイ族か」
徐々に興奮していくのが分かった。
『そうだが?』
「丁度良かった。翻訳をしてくれない?」
アンは壁を示す。
『面倒なことだな』
「そう言えば、何であんた等はこいつの言ってる事が分かるんだい?」
マイケルはゴーグルを外し、アンに手渡す。
「着けてみてくれ」
アンはそのゴーグルを着ける。
「エルド、何か話してみろ」
『俺はエルドだ』
アンが着けているゴーグルに、英語が表示される。
「何て表示された?」
「『私はエルド』…」
アンは目を見開きながら言った。
「カービン、すまないがゴーグルを貸してくれないか?」
「分かった」
カービンは自分が着けているゴーグルを外し、マイケルは受け取り、それを着ける。
「さて、そう言うことで、行くよ」
「行くって何処に?」
アンはニヤリと笑って言った。
「最深部、財宝の元にね」
だが、その部屋から来た道以外の通路は伸びていなかった。
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