僕達は、東の国を赦さない

 僕は父が死んだ日のことを鮮明に覚えている。父は自身に大量の油をかけ、そして火を放った。父は絶命するまでの間声をあげず、ただひたすら東の方角を向きながら何かを呟いていた。

 そして今日、僕は自分の身体に大量の油かぶり火を放った。あのとき父が何を呟いていたのか。今ならわかる気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る