街灯下の小石

 ある日の朝、村の人間達が、僕の住む砂利道の木陰にやってきて、僕の傍に生えている大きな木を切り、そこに街灯を一つ立てた。

 その夜、街灯の灯に照らされ喜んでいると、少し離れた暗闇から、誰かが僕に言った。

「いいな、夜はお前だけが見えている。俺や他の連中は昼にしか見えない。だからお前が羨ましい」

 僕は首を傾げながら言った。

「どうしてだい?僕は君達の方が羨ましいよ」

「いや、そうなのだろうけれど、けれどそれは特別じゃないんだ。でもお前は違う。昼は確かに見えないけれど、夜はお前だけが見えるんだ。それって特別だし、凄いことだよ」

 やはり僕は首を傾げながら「ありがとう」とだけ言った。

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