第16話 のみすぎ、忍者の心友になる
カエルのいらないカミングアウトの後ろではまだ中継が繋がっていたらしく
魔界からのコメントが表示されていた。
\まぁ熟女じゃないけどおしっことか買い取りたい/
\RORIKONカミングアウトキター/
\体70点 顔45点、だがそれがいい/
プツッ
ヒキニートは何も言わず中継を切った。
性癖が公開されてしまったショックと
誰もフォローしてくれない切なさからか、
震えてうつむいた背中がショボくれていた。
「いい友達を持ったな」
肩ポンした。
「べ、別にあいつらなんか仲間じゃないから!俺様を安くみないでほしいケロ!」
「あとで飲もうか。付き合うよ。」
「お前…いいやつケロな!」
パァァ、とヒキニートの顔が輝く
「お前のおごりでな!」
ドヤ顔で言い放ってやった。
「もう人間なんて信じない」
「いいから早くこい」(壁ドン)
「お前のせいで3滴ほどチビったではないか」
カエルが真顔で見てくる。
「もともとシットリしてるから大丈夫でしょ誤差よ」
「クソッ、俺様の貴重な魔力が…!」
ブツブツ言いながらカエルはズボンにそっと巻き戻しの魔法をかけていた。
自称魔族の両生類を上着のポケットに入れ脱力しながらトイレを後にすると、
窓口は既に閉まっていた。
思ったより時間食ったな。さっさと王様に会って終了報告して帰るか。
移動しようと階段の方に向かった瞬間、夕日に照らされたあいつの姿があった。
肌色のあいつだった。
「よっ、遅かったな。うんこか?」
「チッ。」
まだ帰ってなかったのか。終わったんだから王様に会ってさっさと帰れよ。
「べ、別になにしようと勝手じゃない。てか、私詮索されるの嫌いなんだけど。」
「今回バリウムキツかったもんな。」
もううんこから離れろよこの全裸マスク。
「じゃーわたしこのあと用事あるんで。」
「ちょ、まてよ。なぁなぁ、ハゲマン連絡先交換しようぜ。」
やだよ!そしてその名前で呼ぶなよ!略するなよ!
全力で無視を決め込んでたら、急に真面目な顔をしだした。
「お前シャイな奴なんだな。いきなり距離を詰めて悪かったよ。
ちょっとずつお互いのことを知っていきたいんだ。」
いや違うから。それじゃないから。
拒絶の意味を込めて、静かに首を左右に振った。
「なんだよー。恥ずかしがるなよー。連絡コード見せろよー。
あれ?もしかしてハゲマン連絡コードの出し方わかんないの?
ほらやってあげるから。見して貸して触らして。」
そう言うと覆面裸族は私の手からケータイをもぎ取って
自身の連絡先を無理矢理入力していった。
「あとで家帰ってから連絡くれよな!心友!」
いつから心友になったんだよ。なに勝手に親密度レベルアップしてるんだよ。
あとで、消そう。
「俺様さー、黙って聞いてたんだけどお前にもワンチャンあるんだな。
これが人間のラブコメってやつか。
うんこから始まるフォーリンラブとか漫画でもでてこなさそうな展開だけど
まぁキモい同士頑張ってくれやwww」
ヒキニートが服の間で何か騒いでいる。
腹の肉を寄せ集めて挟み込んでやった。
「暑いなんだこの肉の壁は死ぬ死ぬ!!BBAでもせめておっぱいがよか…った。」
気絶したようだ。よし。やりきった。
謎の達成感と共に私は謁見の間へと向かった。
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