4-4
(私が、カラオケで焚人さんに怒ったりしなければ良かったのに。。)
香はあのときが全ての別れ道だったと思い込んでしまう
あの場所で、美羽に全て話せば、最悪の結末にはならなかった
けれど、あのときは、問題の解消は出来ないまま居たら、こうなってしまう
それが怖くて、黙ってしまっていた
(悪くないよ、香は私達を守ってくれたんだし
私が余裕ないのが原因、焚人があそこまで言えないなら
訳ありなのは解ってたのに。。でも不安だったの。。ずっと)
(みんな悪くないよ。。焚人さんは美羽を傷つけたくないから
美羽は焚人さんを信じたいから
私は美羽を守りたいから
それぞれ、それがみんな裏目に出ただけ、自分の大切な人、守りたかっただけなのにね?)
コーヒーを飲むたびに
涙で腫れた二人の目には、微かに昇る湯気が
心地のいい物だった。。
そして。。突然、香の携帯に電話の着信が鳴る
その相手は焚人からだった。。
香は美羽に携帯を押し当てたが
美羽は首を横に振った。。
着信が消え、二人の無言の後
今度は、メールが届く
それも焚人からだった
香は一応、内容を確かめた
最後まで読み終えた香は
もう一度 美羽の体に携帯を押し当てる
美羽が必死に押し返すが
それに腹をたてた香はメールの文を読み上げて
聞かせようとする
(わぁーわぁーわぁー!)
珍しく大声を発したせいで、美羽は変なキーで叫んでいる
(じゃー読む?)
首を横に振る美羽
(ほんとにそれでいいの?こんないい人居ないわよ?)
そう言って今度こそ勝手に読み上げた
美羽ももう一度、わぁーわぁーと叫んだが
香に羽交い締めにされ耳元で読み聞かされた
美羽の叫びは段々と小さくなり
メールの文は最後の方に読みかかっていた
(それじゃー、僕は今から帰ります、美羽の事これからもお願いします。。だってさ、これでいいの?)
香は何も返事をしない美羽に、強めの渇をいれる
(もう二度と会えないよ!?)
(だって。。私にそんな資格。。浮気して裏切ったのに)
(だったら、私にメール送るわけないでしょ!解んないの?
これ、美羽に送っても良い内容なのよ?知らない振りしてるのよ!)
そう言われると、彼への未練が溢れだし、美羽は外へ飛び出していった
(ちよっと切ないなぁ。。私は信じてもらえなかったのね。。美羽は頑張ってね。。)
一服した後に、香はこの間のカラオケ店に一人で向かった
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