4-2

力の入らない体は

微力の電車の揺れで、簡単に動かされる。。


下を向いていると、バッグの中の携帯の光に気付いて

手に取ってみると


香からの留守番メッセージが沢山来ていた

丁度、焚人がいる街についた頃の時間だった。。



美羽はイヤホンを取り出して

携帯に繋げ、一番最初のメッセージを再生した


そして、美羽は次々と他の履歴の言葉を真剣な顔になって聞いている


直ぐにでも電話を繋げたかったが

ここは電車の中、今の美羽には、少しの冷めた視線も精神的にやられてしまいそうだった。。


焦燥感だけがましてゆく

電車が止まると香が駅まで出迎えてくれていた

直ぐにメッセージの意味を聞きたくて、着くまでの間メールを送っていた


美羽は真っ先に、その質問をする


(どうゆう事なの?焚人の秘密、何で知ってるの?て言うか付き合ってないって。。じゃなんでっ!)


美羽はパニックになり、矢継ぎ早に疑問を 問いかけている


(落ち着いて!)


ガバッ。。

香は美羽を落ち着かせようと痛みがでる位の力で羽交い締めにした


(落ち着いて。。まず、本当はね?

焚人さんにも言わないでくれって頼まれてたから、隠してたのを謝らせて、ごめんね?)


謝罪をされたと同時に、美羽は。。久しぶりに香るの顔を見つめている、そして、ここ最近で一番の安心な顔をした

それを確認した香は今までの焚人とのやり取りを全て話始めた


(私は、焚人さんから相談受けてたのよ、だから連絡もとってたの、でもそれは全部、美羽の為なのよ

だけど言えなかった、焚人さん自身の過去もあったし、美羽には知られたくない事なんだと思うの)


美羽はその言葉に悲しみを感じたが

辺りは駅の前で、人がザワついていて

泣くことも、内容的に話す事も出来ない状況で


同じくそう思った香が場所を変えようと言い出して


一番近くて、邪魔が入らない所を捜した結果

会社に戻ることを選択する


(誰もいないね。。)

美羽が心配そうに人の気配を探す

狙いどうり、社内には一人も残っていない


二人はホッとして

香はコーヒーを作りに少し席をはずした


美羽は。。自分のデスクに座り、置き手紙を目にする。。

香が美羽を尾行する前に書いた

謝罪文だった。。


それを見た美羽は体を震わせて、今さら伝わる香るの優しさに

目に涙を溜めた


(美羽、改めてだけど、本当にゴメンね。。私がもっと早く教えれば

こんなことにならなかったよね)


美羽が後ろを振り向くと

コーヒーを二つ手に持った香がポロポロと泣いていた

焚人と美羽が別れてしまった事を知った事と

それに加担していた自分への怒りからだった。。


一番辛かったのは香自身だ。。美羽は悲しむ香を見てそう思った

そして自分の涙を止めて、香を強く抱き締める


(板挟みにさせてゴメンね?でもここからは、何があっても私の責任だから

悪く思わないで?)


(。。うん、ありがとう)






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