第三話 裏切り、悪友。後悔
そのまま一週間が過ぎて
彼氏とも話をせず、別れるのか別れないのか
決めないままでいた
けれど、香との関係を聞くのも
それを受け止めるのも
自分が避けていた期間も確かに残っている罪悪感もあって
連絡を取れずにいた。。
そして、こうゆうとき必ず、そばにいてくれた香も
原因の一つになっていて
解決策も見いだせないでいた
香、以外の話し相手が居ないわけでもなかったが
女の中の世界では、多人数制の横並びで
一見強そうに見えても、一人ずつの支えになれる人数は限りなく少なく
その強い支えを手放したときは
毎日が不安と恐怖と葛藤に身を投げ入れるようなものだ。。
そんな中で、ただ唯一の支えが異性しかいない場合。。
美羽にとって最近のそれは片岡だった。。
その異性が、悪いやつでも、解っていても
そのあとに着いていってしまう人もいるだろう
そして進路の方向が解らなくなる。。
けれど片岡はどちらかならば善人だ
しかし、この現状で、自分自身が結果を悪い方向へと運んでしまう
それでも美羽は目の前の安息を求めて
ついに。。片岡と体の関係を持つと同時に
彼への罪悪感が限界を越えて。。気付かない振りへと変わっていく。。
片岡と肉体関係をもってから三日後。。
泊まり込みの仕事も予定より長引いたこともあり
相馬のいる部屋にはもう、一週間ほど帰っていない
未だに連絡を取らないでいる美羽
そして、焚人からの履歴も来ていない
香は部屋が違う為、二人がこうゆう関係にあることを知らずにいた。。
美羽も今は当初のホテルに戻っている
そして今日は大掛かりの仕事の最終日
美羽は焚人のいる空間に帰る事を遠ざけたかった
それは。確実に自分の中での気持ちの整理が、片岡との関係で
別れを意識し始めていたからだった。。
けれど、そんな事を知らない片岡は
美羽に対して、意外な気持ちでいた
(ごめんな?この間は。。。ホテルであんな感じになっちまって)
本当に申し訳なさそうな顔で美羽に頭を下げた
けれど、美羽自身は、その事がキッカケで好きになりかけている片岡には
不快感なんて微塵も感じていない。。そんな雰囲気を見て
片岡は尋ねる
(あのさ。。前の夜の事はお互い酔ってたし
もちろん俺が悪いけどさ。。彼とはまだ別れてないんだよな?)
(えっ。。うん、まだ、だけどね?!)
(じゃーさこの前の返事、断るわ 栗田さんも酒が入ってたしさ)
片岡の言葉の意味が解らずに
頭を傾げて、もう一度聞き直す美羽
(だからさ。。栗田さんホテルの直前に俺に告白してたんだけど、覚えてない?みたいだね)
理由を聞いてから数秒後。。記憶を探してから
美羽が顔を赤く染める
ホテル前に片岡と飲み、勢いで告白をしたことを思い出す
そして、片岡を屋上に連れていき
強気に告白の言葉を再度口にした
(気の迷いとか!勢いじゃないから。。
わたし。。片岡くんと付き合いたいよ。。もし嫌じゃなければ)
片岡はうれしい感情を
隠すように口元を手で覆っている
その仕草を見て美羽が返事を聞く
(いいの?)
片岡は緩んだ顔が落ち着くまで
もう少しだけ待たせて
やっと声に出す
(もちろん、俺で良ければって、最近そんなこと思ってたから
でも、彼はどうするの?)
そういわれて
美羽は誤魔化すように、食い気味で
(もう別れる! 今日はその話をして。。とりあえず同じホテルに泊まる
。。そしたら電話で報告するから)
言葉の区切りで、切ない表情を見せている美羽を
片岡は笑顔で見つめている
そんな片岡の顔を見て美羽は
目の前の確実な幸せで、悲しみを塗り替えようと決めた
(それでね、お願いがあるの)
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