2-5

ドン!


(ご。。ごめんな、隣が男子トイレでさ。。)


女子トイレを走って出た所にすぐ

片岡がいて

ぶつかってしまった。。


(。。ごめんね!私帰るから)



私は醜い顔を見せたくなくてカラオケ店を出た。。


(最悪な事するなよ。。野坂)


(違うわよ!美羽が。。)

 

香はその先を口にはしなかった。。


(言い訳して言い分けないだろ?)


(何よ。。こんなときにも

おちゃらけなの。。。?)


香の顔が曇っていく。。。


(もっとちゃんと紛らわせなさいよ。。)



片岡の顔も重苦しそうな表情に変わっていく。。


(どっちにしろ。。栗田さんは可愛そうだろう

後で謝れよ?)


(そうよね。。。そうだったのよ、だから。。)


不思議そうに香を睨みながら

片岡も店を出ていった。。



香はドアに頭を擦り付ける様にして

脱力していく。。



美羽の方には

彼氏からの着信履歴が

何度も来ていた


けれど、美羽はそれに答えようとゆう気持ちになれず

がむしゃらに走った場所は会社だった


さっきまで作業をしていた

自分のデスクで気持ちを静めていた。。


そこに 

片岡が後ろからやって来て


冷たい缶を美羽の頬にくっ付けてきた



(ひあっぁや!)


(ぶっ。。)

片岡が吹き出して笑う


美羽は、いきなりの出来事と

自分がへんてこな声を出した事を思い出して

笑えてしまう



(ふふふふっあははは)


さっきまで暗いままでいた反動のせいで


対した事のない事が、ツボになって

笑いが止まらなくなっている



(あーーあ、お腹いたいよー)


(俺もだ!なんだよ。。ひあっぁやって)


(だって息も乱れてたし、ビックリしたから)


笑いが収まった辺りで

片岡がくれた珈琲を飲み始めて


カフェインの力も加わって、更に落ち着きを取り戻す美羽


(はー冷たい。。)


(大丈夫か?)


片岡がさっきの話を聞いてしまった事を

申し訳なさそうな顔で美羽を見ている



(怒ってないよ

て言うか検討ちがいだし。。それで怒るとか)


(そうか、香の事だけど、一応な

向こうも落ち込んではいたぞ?)


香の話を口にすると美羽は

携帯の方へ目を通している


10件以上続く彼氏の履歴の後に

その倍の香の履歴が来ていた。。


(俺さ。。さっきまた

ダジャレみたいな事を言ってさ?)


(えっ?なんのはなし?)



美羽が困った顔で片岡を見つめる


(いやさ、香に言い訳をして言い分けないだろって。。)


そう片岡が言うと

美羽がもう一度ツボにハマりそうなのを押さえ込んだ


(ふはっ。。あーもう勘弁してよ

今シュールなネタはキツすぎるって)


美羽がようやく

いつもの明るさまで戻ったのを確認してから片岡が言った


(でも本当にそう思うよ

実際、香も言い訳をしなかったし

少し距離置いてみたら?俺から香に言っておくし)



(ありがとうね片岡君。。)


そういいながら美羽は片岡のシャツに無意識に顔を埋めてしまっていた




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