2-3

並んでから五分位待って、残り一部屋の所だったけど

運良く借りることが出来た


(あれ?野坂達じゃない?)


後ろから呼ばれて振り替えると

歳が近い、職場の片岡隼斗と言う、同期の男がいた


(もしかして、カラオケしに来た、んだよね?)


香が気まずそうに、質問をした

それはそうだ、さっきまで私達が最後尾で 最後の部屋を借りてしまったからだ


香は持っている鍵を見せて 申し訳なさそうに謝った



(うわぁー、マジか、ついてねー、まー俺の分も楽しんでけよ?)


(悪いねー、今度 コーヒー奢るからさー)


(ケチなお礼だなー、じゃーまたなー二人とも)

 

そう、気後れせずに店を出ようとする片岡君を

私は引き止めていた


(待って!よかったら一緒にどう?一人位なら 狭くないし)


(えーでも、いいのか?野坂は?)


そう言われて、隣の香に今更な罪悪感を覚えた。。


(別に?美羽がいいなら私は特に)


(へーじゃー 頼むわ じゃーここは半分俺が持つからさ)


(なにそれ、だったら他いけばいいじゃん)


片岡君は嬉しそうに指定された部屋に先に入っていった


香も冗談っぽく話していたし

そうゆう性格だから気にしてないのも本当だと思うけど


やっぱり悪い気がした


(香。。勝手にごめんね?せっかく私の為にしてくれたのに。。あっ)


しまった。。そんな気持ちが顔にも出てしまった


(あらー、やっぱり気づいてたかー)


(そりゃー、服見れば解るよ。。)


香は小物類は余り好きじゃない、装飾品も含み、普段は持たないし、着けない

だから直ぐに解っていた


(まー、そうゆう事だけど、片岡君みたいな人が入れば、更に紛れるしね、早くいこ!)


(うん、そだねー)


私は彼氏の顔を浮かべながら

気乗りはそこそこな気分で 部屋に入った



三人で何曲か歌いはじめて、香と、片岡君ともデュエットしたり

飲み食いをしているうちに、頭の隅にまだ少しあったモヤモヤした なにかは

無くなっていた


(栗田さんも歌上手なんだね?普段は業務的な会話しかしないから

綺麗な声とかは解らないし)


(片岡くんは余り変わらないね、やっぱり営業部だと

声の発生力も付くんだね)


(まぁーね、俺は結構、頭下げんのとかあんまり抵抗ない分

この仕事は天職とか思うしな)



久しぶりに、男の人と楽しく話せている事が、仕事も込みで充実さを増していた

そして、私の方から、彼に電話をしてみようとゆう勇気も沸いてきた


歌い終わった香が、後ろから片岡君の頭をマイクでゴツンと叩いて

(なに美羽を口説いてんのよー!)と言って無理矢理にデュエット曲を歌わせ


私は彼に電話をしてみようと、その間に部屋をでた





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