リプレイ:走り屋チームSNK・第四話

亮平:はァッ!?


GM:まあ早い話が、君のご両親は三年ほど海外水入らずで仕事に行かれて、その間、この家は君と妹君エレノアのふたりきりになるということだ。さあ、わかりやすく説明してやったぞ。まだ疑問点があるかね?


亮平:石田氏。


GM:なにかな?


亮平:ひとつ聞きたいことがあるんですが。


GM:言ってみたまえ。


亮平:このゲームって、確か「峠の走り屋TRPG」でしたよね?


GM:いかにも。いままでの展開をどう見れば、それ以外のゲームに思えるのかね?


亮平:自分には、どうやってもエロゲー展開にしか見えないんですけど。


GM:それはまったく気のせいだ。清廉潔癖で恥ずかしがり屋のこの私が、そんな十八禁ハレンチなシナリオを思い付くわけないじゃないか。ハッハッハ。


亮平:白々しい。ちなみに、石田氏の理想のヒロインってどんなのでしたっけ?


GM:んなものァ決まってる。ボクでお兄ちゃんでポニーテールなスポーツ少女だ。言わせるな恥ずかしい。


亮平:だったら言わなきゃいいのに。


GM:まあとにかくだ。君たちふたりの家庭環境というものはそういった感じということで覚えておいてくれたまえ。禁断の愛に溺れるもよし。いけない関係に突入するもよし。そのあたりはプレイヤーの好きにするがいい。私はあくまで、GMとして中立の判断を下そう。


亮平:普通の兄妹として暮らします。はい。


GM:チッ、つまらん。で、そんな君たちが迎えた初めての週末。その日はちょうど、チーム「SNK」のミーティングが予定されてる日だったりする。あ、そうそう。エレノアから、「ひとりで留守番してたらヤクザの集団に調教目的で拉致されてしまうかもしれないので、一緒に連れてってくれ」というお願いがあったんだがどうする、お兄ちゃん?


亮平:連れて行く。そっちのほうがGMとしてもありがたいんでしょ? それにしても、この娘が学校で普通の生活送れてるのかどうか不安になってきた。


GM:不安なら見に行ってくればどうだ? マスタリングしてやるぞ。そういえば、君が転校初日に彼女を学校まで送迎した時、エレノアは「初めての登校の時、日本ではこの儀式が欠かせないはず」って、食パンくわえて「チコクチコク~」って言いながら校門潜って行ったな。いまさらながら伝えておこう。


亮平:……

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