税制実習
僕達のクラスでは、税制を改める実習をしています。なんかこののりは……政府案に繋がっていく流れ?とするなら、僕も頑張る。
まずは法人税の税率を最高80%まで高めよう。所得税も80%にしよう。消費税は廃止するし、自動車関連税は増税します。増税幅は今の5倍にしよう。証券税制を累進課税にしよう。
あっ、利之のノートはちゃんと返しましたよ。
議論は、5時間続いて、僕の提案通りになったんですけど、逆に恐いよ。僕のような子の意見を取り入れてくれるのがいいのか不安だから。
なぜ、今こんなことをやっているかって?政権運営に余裕が出てきたからじゃダメかな。仮にも社会民主主義政権なんだから税制を改めることを躊躇する理由なんてないんです。仮にも、今の税制は弱いもの苛めになっているから。
本当は大人がすればいいんですが、逆にしがらみが多いのかもしれない。
終わって、僕と夜叉節さんと利之は政府税制調査会に出た。
僕達「お邪魔します」
総理「お邪魔なら来るな」
僕達「学校で出来上がった税制案をお持ちしました」
総理「ちょうど良かった、今欲しかった資料だ。見せてくれ」
僕達は、案を総理に見せている。総理は見て、これを叩き台にするとおっしゃった。
僕達は、これは子供が作った案なので、大人に比べて幼稚なところがあるかもしれないって言ってたんですが、逆に、総理からは純粋な心を持っている子の意見だから真剣味があり、参考資料より発見することがあると言われました。
僕達は、政府の税制調査委員会を退席して、それぞれの家に帰った。
家に帰ると、姉さんと目が合った。
「おかえり、一丸ちゃん」
「ただいま、姉さん」
「さっさとお風呂を済ましてね。ご飯はその後よ」
「うん。分かった。姉さんは?」
「私はもう済んだから、出る時にお湯抜いといてね」
「はーい」
僕は、お風呂に入った。自分のイデオロギーは何かを考えてみる。僕は自由生命党にいる。党は、自然な緑の再生を信条としている。けど、僕は考えれば考える程わからなくなるんだ。どうしようかな?取り敢えず保留にして、お風呂を出た。
着替えを済まして(パジャマ)机に座ると、もう既にご飯が並んでいた。姉さんは、僕のご飯をよそって、言った。
「体は大丈夫?」
僕は嬉しそうに答えた。
「うん。至って元気です」
「そっか、良かった。食べましょうか」
合掌して、食べ始める。
「「いただきます」」
姉さんは、税制について話しだした。
「いい、一丸ちゃん。税金っていうのは、貧しい人から取ってはいけないの。お金が有り余っているところから貧しい人へ流して国民の生活の安定を図る再分配機能があるのは忘れないでね」
僕は姉さんのこんな聡いところに憧れています。いつか姉さんのように成れます様になりたいって思っています。
「うん、分かった。姉さん」
僕を育ててくれて、考え方も教えてくれる姉さんがいて、僕は幸せものです。ご飯もおいしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます