鉄道政策(利之視点)

 俺と秀子は国会で新幹線各駅の特急料金廃止と在来線(地方交通線)の維持を目的とした税金投入の為の法案審議をしている。

 まずは、俺と秀子の法案趣旨説明を聞いてくれ。

「私達(俺達)は、地方の生活路線の保護を通じて、交通弱者の保護をする目的の為に税金を投入したい。また、多様な交通手段を選択できる自由の為、新幹線の各駅の特急料金廃止を行いたい。」

 地方の生活路線の保護は交通弱者の保護を目的とした税金投入でやる。新幹線の各駅の特急料金廃止は交通手段の選択権を増やす為にすることだ。

 何れにしても、権力を使っているけど、私欲を満たすものではない。

 新幹線の各駅の特急料金廃止は先行して、実施する予定の横川近辺の駅が出来ていない為、本格実施は先送りになりそうだ。

 しかし、なんだ?能張新幹線って!?まあ、一丸が考えたんだろうが。 能張新幹線とは、名古屋と輪島・蛸島(穴水~蛸島はミニ)を結ぶ新幹線だ。輪島・穴水・七尾・氷見・高岡・五箇山・高山・下呂・岐阜・名古屋に駅を設ける。(ミニは省略)

 このタイミングでナゼに新幹線の建設計画が俺の手にあるかというと……一丸のノートと俺のノートを間違えて持ってきたからだ。幸い、俺のノートと秀子のノートには同じ内容が書いてあるので安心だ。

 審議に戻す。

見奈良「なぜに、新幹線の各駅だからといって特急料金を廃止するのか?」

俺「線路選択権の幅を広げる為だ」

 それに加えて

「在来線の混雑を緩和する為でもある」

見奈良「たしか、新幹線は特急より停まる駅の数が少ないように思うが?」

俺「新幹線の通っているところは特急が無くなりつつありますから問題ない」

見奈良「だが……」

俺「それに自動改札の削減になる」

見奈良「自動改札で人員減が出来ているが?」

俺「その人員減が今の不況に繋がっているのである」

 俺は人件費が景気を良くすると思っている。人件費をかければかける程景気が上向くっていう感覚は的を射ているでしょう。

俺「まあ、各駅の特急料金廃止はまだ社会実験をしてから本格実施するけど法案だけは通すよ」

 次は、公暗か

湯原「社会実験が始まってないなら、法案を通しても意味ないのでは?」

俺&秀子「法案を通しておけば後が楽だ。社会実験が失敗しても、廃止する等の対処法はいくらでもある」

 共産か

愛菜「どうしても、今で無ければならんのか?」

秀子「そういう訳でもないんですけど」

愛菜「社会実験が終ってからなら、賛成してやるぞ」

秀子「ありがとうございます。でも、今やりたいんです」

 与党の質問はなかった。


 次は、在来線についての質問だ。

見奈良「地方交通線は、赤字化しやすく、整備は無駄だ」

俺「地方にも、自動車を運転できない人がいて、その人にとっては公共交通は生命線であり、それを守るのは与党の責任である」

湯原「メリットは?」

俺「地域社会の保全になります」

愛菜「この問題は協力をしたい」

秀子「ありがとうございます」

 地方交通線に税金を入れる法案は、与党と共産の賛成で成立した。新幹線の法案は、社会実験の結果によっては失効する規定を加えて、成立した。

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