第13話 入学式とSクラス
2人の通う学校は、貴族街と市街地の間…の貴族街よりにある。
そこへ毎朝馬車で通う。
いくら学校が「教育の前では平等(仮)」と謳っていても、この国で暮らす国民が通うからには無意識下に貴族と平民では壁ができる。
通学用の馬車一つとっても、平民は乗り合いの馬車なのに対して、貴族は豪華な家紋入りの馬車。
2人も、桜と桃の紋章と王家の紋章が入った馬車だ。
主に貴族が通うような名門であり、平民は優秀な者達しか通えない為に数が少なくて気後れしてしまうということもあるが、そもそも生活環境からして違うので話が合わない事が多いということもある。
そんな学校生活では両者は全く関わらないという訳では無いが、授業内容などの事は話していても同じグループに両者混じって…と言うことはあまり無い。
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「主席入学者、リーズ・フォア・アトランテ。」
「はい!」
「次席入学者、キース・フォア・アトランテ。」
「はい!」
入学式では、
前世の記憶がある2人にとって…というより、スキル『絶対記憶』と『絶対コピー』がある為、約10分で全問を終わらせてしまい、暇を持て余した2人は魔法理論の会話をしていた。
また、模擬戦では木刀で教師をぶちのめしてしまい、周囲の空気が固まったことは記憶に新しい。
2人共満点でワンツーフィニッシュは当たり前、どちらが早く終わらせるか…という感覚でいたため、入試担当教師の心をバキバキに砕いて灰にしてしまったのはここだけの話だ。
『キース、もうそろそろ終わりよ。後ろの方が退場し始めた。』
『うーん、眠い…。』
『…一応王族の教育は受けたわよね?私と同じ教育よね?』
『
『…だいたいあってるけど、
『気のせいだって、気のせい。』
こんな念話をしつつ、2人も退場し始めた。
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「1-Sの担任のソワールだ。担当科目は算数。
Sクラスは、上位1位~15位の成績優秀者が揃っている。制服の上からケープを羽織る事が出来るのはSクラスのみだ。
憧れのケープを狙う奴はいっぱいいる。油断したらあっという間に追い越されるから精進するように。
これから一年間宜しくな!」
『宜しくお願いします!』
「では…自己紹介の時間だ。左端から。」
『俺って最後?』
『頑張ってね。』
『えぇ…。』
「リーズ・フォア・アトランテです。宜しくお願いします。」
「キース・フォア・アトランテ。宜しく。」
「Sクラス15名、仲良くしていこう。では、これでホームルームを終わる。気を付けて帰るように。」
そう言ってソワールは教室を出て、生徒達も立ち上がり始めた。
『帰ろっか。』
『そうだね。』
「帰りましょうか。」
「はっ。」
護衛にも声をかけ、2人も立ち上がって後者の外に向かった。
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