第11話 いざ!城下町へ!

「アリア、城って城下町の方から見るとこんなにデカイんだな。」


「そうだね。ソル、人がいっぱいだからぶつからないようにね。」


「わ、分かってるよ。」


お分かりだろうか。

リーズとキースは改名した…のではなく、城下町へ降りる際には偽名を呼ぶことになっている。


「うわっ!」


分かってると言った途端につまづいてコケそうになるお約束をカマしたソルキース

手を繋いでいた騎士が支えていた為コケる事は無かったが。


騎士も1発でバレるような普段の鎧では無く、冒険者風の装備を身につけている。


今回、騎士達は「商家の兄弟のお使い護衛任務中の冒険者」ということになっている。


2人の目線は屋台の食べ物等に目移りしている。

そして、ある屋台に視線は固定された。


「ジー…」


「ジー…」


「…買ってまいります。」


騎士が買ってきたのは大福だ。見た目は日本で見る物に近い。


「美味しい~!」


「もち〜!」


『中に入ってるアンコも外の餅もそのままだな。』


『そうだね。なんか中世ヨーロッパ風の街中で食べるのは違和感があるわ。』


『久しぶりに食べたけど…なんか日本食が食べたくなってきた。』


『アンコと餅があるってことは他の食材もあるんじゃない?ファンタジー小説でも、東方の島国の…て良くあるじゃない。』


『いや、まぁよく見るけどさ…探してみるか。』


『…財力と権力はあるからね。』


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キョロキョロと視線を動かしながら歩く2人は、周りの大人の暖かい視線気付く事なく散策していた。




「アリア~醤油の方が美味いぞ。」


「…おこちゃまね。塩の方が美味しいわよ。」


「どちらも美味しいですよ…?」


※せんべいです。


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「メーティス、楽しかったね~。」


「えぇ。とても…楽しかったです。」


そう言葉を交わす2人の首にはお揃いのネックレスが掛かっている。

例え大通りで売られている様な王侯貴族が身につける物ではなくとも、従者兼友人と言ってもいいメーティスとのお揃いネックレスはリーズにとって一生の宝物だ。


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「ふわぁああ…眠た…。ん、もう寝るから下がっても良いぞ…。」


「おやすみなさいませ、キース様。」


「おやすみ。」


2人は男同士ということもあり、お揃いの…なんてことはしていない。

だが、アレスの懐には1枚のハンカチ。

キースがアレスに送ったそのハンカチは、白地に青と桃のチェック柄で、アレスとキースの繋がりを感じさせた。


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