第10話 交渉で城下町へ
2人の花が決まり、従者の小物と親衛隊の鎧などに紋章が刻印される。
リーズの親衛隊は桜花隊、キースの親衛隊は桃花隊と名前がつき、正式出発となった。
アトランテ王国では、桜と桃の花の売れ行きが上がっていた。
その2人は、従者とのティータイムを楽しんでいた。
基本的に、王族1人につき2人の騎士が近くに控え、遠くに3人が配置される。
視野を広げるためにベストな位置に配置されており、現在近くにいる騎士は桜花隊のジーク、ヴォルフと桃花隊のビーク、トーマスである。
「城下町に出たいな…。」
ふと呟くキース。
そう、2人は冒険者になると決めたのに6歳になっても城下町に降りたことが無いのだ。
これでは街のことを勉強出来ず、冒険者になった際に色々と困るのではと危惧していた。
「お二人は王位継承権を持つ王族のお方です。簡単には街へは降りることは出来ません。」
「…でも、もう少し大きくなったら勉強の為に降りて良いだろ?」
「…。」
「キース、もっと強くなれば認めてくれるかな?」
「お二人は現時点でもかなりの強さではありますが…。」
「なら降りていいの?」
「なりません。それとこれとは別でございます。」
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それから三十分後、髪の色を隠して騎士と手を繋ぎながらならと、王から許可を貰った。
『明後日~お出かけ~楽しみ~』
『リーズが嬉しそうでよかった。』
『キースがお願いしてくれたお陰だよ?』
『違う違う、2人でお願いしたんだ。』
『2人でお願い~。』
父にも話を通し、隠蔽の効果があるローブと転移魔法の
…転移魔法は二人共使えるのだが、桜花隊、桃花隊の面々は使えない為だ。
城下町では衛兵が沢山いるため安全ではあるが、二人が王族と分かると大騒ぎになる。
その騒ぎに乗じて…なんて輩がいるかもしれないとの事で念には念を入れなければならない。
それでも、二人はどうしても外に出たい。
折角兄に国王を押し付けたのだから、ただの箱入り娘と箱入り息子になるのはゴメンだ。
この世界を見て周り、ついでに兄の補佐をする。
それ位が自分たちに合っている。
あっという間に時間は流れ、城下町へ降りる日はやって来た。
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