第7話 講師キラー
リーズとキースは5歳になった。
10歳の兄、ノルンは今年から学校生活が始まるため、忙しい日々を送っている。
学校へは10歳~15歳まで通う事になっている。
日本の義務教育に当たる部分で、高校や大学は存在せず15歳で成人となる。
研究がしたい場合は研究施設へ。騎士になりたい場合は騎士見習いへ。冒険者になりたい場合は冒険者ギルドへ。家業を継ぎたい場合は実家へ。
15歳になればそれぞれの道へと歩く。
有名学校に通うには、それなりに勉強が必要だ。
貴族と平民では教育レベルが違うため、自然と通う学校も別れる。
そして、ノルンが通う学校は有名な王侯貴族が通うような名門校だ。
受験勉強を夜遅くまで頑張っていた事を知っていた家族たちは、首席入学に頬を綻ばせた。
5歳になった双子には、教育が始まった。
帝王学、歴史、マナー、音楽、ダンス。
戦闘に必要な魔法や近接戦闘訓練。
どれをとっても一流と言われる講師を採用し、天才児とはいえ厳しい指導に気が滅入るのではないかと国王も王妃も思っていた。
だが、早々にその認識は改めなければならなかった。
ダウンしたのは講師陣だったためだ。
講師たちは口を揃えてこう言った。
「講師キラー」と。
講師がお手本を見せると、直ぐに出来てしまい、次々に知識や技術を覚えていく。
貪欲に求め続け、集中力が切れることがない。
遂に教えられる事が無くなってしまったため、心と自信は折れるどころか踏みつけられ粉々になってしまった。
2人は腕前を確認された後、自習となった。
同じ年の、同じ天才児の子が2人。自習にはぴったりだった。
外の世界を知らぬまま天才2人だけで自習していくとどうなるか。
2人が歩く爆弾の様な存在になっていく事は、この時誰にも想像もつかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます