第3話 双子脳内会議

ほぎゃぁほぎゃぁほぎゃぁと2人の赤ちゃんの泣き声が王城に響く。


「はい、お待たせ致しました。ミルクですよ〜。」


胸を差し出し、ミルクを飲ませてくれる人物はこの国の王妃であり、2人の母のディオスだ。

貴族…と言うより、王族では自分で子供を育てるなんてことはあまりしない。

だが、絶対無いとは言えず、少数ではあるが存在している。


この国に二人が生まれて1ヵ月。

絶え間なく見に来る人々がいるため、気が休まらない…訳でもなく、暇である。


今は、現国王である父も見に来ており、子煩悩親バカ振りを発揮している。


「はぁ、可愛いなぁ…何度見ても癒される。」


『イース、王様って暇なのかな?』


『暇なんじゃねぇ?何だかんだ2時間ぐらいはいるし。』



コンコン…


「失礼致します。陛下、ノルン殿下がお見えですが…。」


「通せ。」


「かしこまりました。」


『王様だね』


『王様だな』


「ノルン、授業はもう終わったのか?」


「お父様、ちゃんと授業を終わらせてまいりましたので、双子の赤ちゃんを見させて下さい。」


「ほら、リーズちゃんとキースくんよ。」


「わぁーっ!可愛い!軽いのに、重く感じる…。」


「そうだな。こんなに小さな体で、一生懸命力いっぱい泣くんだ。可愛いぞ。」


「リーズ、イース、二人共僕が守るよ。…どんな時でも。」


『やっぱり、この子に国王押し付けよう。』


『そうね。スキルも国王に大切なものばかり。放棄するのは無理でも、順位を下げてもらえるようにしないと。』


『でも、無能を装うのはちょっとな…小指の爪ほどのプライドが許せん。』


『うん、完璧超人双子を目指す。』


『作戦はお兄様大好き作戦でいいのか?』


『えぇ、お兄様が王様になった所を見たいとかお兄様をあげまくるのよ。』


『一応鑑定しとこうか。』


『うん。』


ノルン・フォア・アトランテ 5歳 人族 男

Lv:3

身分:第一王子(王位継承権第3位)

職業:

称号:第一王子 側室の子 妹、弟の守護者


HP 1200

MP 400


攻 D+

防 D-

筋C-

速D+


スキル

水魔法Lv1 風魔法Lv1 算術Lv3 話術Lv2 統治術Lv5


固有スキル

賢王の素質


🔽賢王の素質

賢王の素質を持つもの。


『おぉ!押し付け甲斐があるぞっ。』


『最初から押し付ける気満々だったじゃない…。』


「おぉ、2人が笑っておる。兄だと分かったのだな。」


「ノルンは優しいお兄様だから2人のいいお手本になってくれるでしょう。」


『国王になる気は無いけどなっ。』


『んー…眠い…。』


『この体、スグに眠くなるんだよな…。』


「あら?お眠なのかしら。寝かせてあげましょう。」


「うむ。私も執務に戻るとしよう。」


「リーズ、イース、またね。」



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