第一話三部 廃棄
「レイブンさん、この子どうします?」
人狼の一人がナックスを指差した。
「もう死んでるだろ」
レイブンは吐き捨てるように言った。
「ぁぁぁ……ぐ」
ナックスは必死でもがいた。
「苦しい……だずけて……」
ナックスは助けを求めた、死にたくない。
まだ生きたい、死ぬのは怖い。
そういった感情がナックスを支配した。
「苦しければ誰かが助けてくれると思うなよ」
レイブンは言った。
「だがそうだな、このまま楽にしてやる価値もない、移動中の道にでも捨てておけ」
「助け……おぇ」
ナックスはときどき血を吐きながら乱暴に引きずられていった。
「力こそすべてだ」
レイブンはそう言ってナックスを道端に捨てて仲間達と去っていった。
「誰か……」
ナックスの生命力は人狼になっていたので高かった。
だが自力では動けなかったのだ。
「ちからぁ……」
ナックスはその場で意識を失った。
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