家臣団

 我が長谷部家で実務を担当することの出来る武将は?と言いますと、まずは当主である我が父・国親。能力的には

(……そこそこ……)

と言ったところが実情なのではありますが、だからと言いまして国の運営に支障を来すようなバイタリティーしか持ち合わせていない。と言うわけでは必ずしもありません。現在の土佐の規模でありましたら問題は無いと感じております。

 次に来るのが私・元親。先の初陣からの活躍もありましてか。私が言うのも何ですが。父よりは優れた能力を有しておりまして……。えぇえぇ。その甲斐もありましてか。父に対し、事の是非を進言することの出来る軍師と言う立場に現在私は収まっております。もっともその助言の正答率に関しましては。

(……4分の3ぐらい……。)

当たるも八卦当たらぬも八卦まで酷くはありませんが……。

(……相手もあることでありますので……。)

まぁたとえ失敗したとしましても

(トップが実の父親でありますので……。)

 私と父のほか。あとどれだけのものが父の手となり足となって働くことが出来るのか?

と申しますと

(……現状2人……。)

2人ともいくさ場におきまして、不意打ち一撃で崩壊してしまうようなことは無い。そこそこのいくさであれば問題無く働いて頂くことの出来るかたがたなのではありますが。今、我が長谷部家が考えています内政の立て直しに際し、大いなる活躍を期待するには少し弱い……。その内の1人。芳田重俊についてはまだ良いのでありますが、もう一人の久剛親信に関しましては

(お金を渡しても成果を挙げることが出来ない事柄もありまして……)

志願して頂き、成功を収めて頂きますと自動的に忠誠心も向上するのでありますが。

それも効果が出て初めてでありますので。

折角の。でありますが……。

と言うことにもなり兼ねませんので。

こう言う悲劇を生まないためにも私の助言が重要になって来るのであります。

(内政重視の方針に不向きな集団なのでは……?)

と一抹の不安を覚えつつ我が長谷部家は土佐の国再生に乗り出していくのであります。

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