5-5
なにも言えない。。
俺が勝手に勘違いして、勝手に離れて
再開したのに都合よく相沢を作って
自尊心を保っていただけ
あの頃からなにもかわらない相沢が羨ましくて、遠い人間に感じる
その気持ちを俺は消そうとしただけで
気持ちは変えられずにいたくせに、変わることが正しいと思い込んでる
自分の目の前の手を掴めば良かっただけ。。
その資格も今はない
今できることは、責任を果たして、けじめを付けるだけだった
(また手!左手!)
相沢は俺の手首を掴んでいて、その顔は、憎たらしい可愛いげある笑顔だった
(。。簡単にやるんだな?)
(へ?)
簡単に決心を変えられてしまった
(俺は、相沢が好きだ、もう一度すきになる資格が貰えるなら、あの時の続きを聞かせてほしい)
俺は相沢に対して初めてきちんと返事を求めている気持ちになった
(そんなの、あの時にちゃんと聞きなさいよ!)
(おっ!)
広げた両腕の中にスゥッと相沢の体が入ってきた
涙目の彼女を抱き寄せて、何年ぶりの本気の
(ありがとう)と涙が自然と溢れてきた
(今さらだけどさ?かっこいいよ!棚町くん今も昔も)
(相沢も、昔も今も、かっこいいよ)
(へへっありがとう、あっそうだ)
相沢は自分の棚の引き出しから、手作り感のある封筒を取り出してきた
(遅れたけど、私も書いたからあげるよ)
そこには、本来は五年前、告白の後に読むはずの答えがあった
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