5-4
長い沈黙の後、店にも置いてあった、古い振り子時計の音がカチカチと鳴り
針が一周した頃
俺から昔の事を聞いてみた
(5年前の手紙だけど!)
(ラブレター見たときに!)
お互いハモり出しで勢いを失った、けれど、また気まずく変わりそうな空気を崩して
相沢に聞いてみる事にした
(手紙、なんで捨てたの?あと、どう思ってた?)
(嬉しかったよ、投げたのは悪かったけど)
(えっでも、笑いながら恥ずかしいって、太ってるやつに貰って嫌だったんだろ?軽かったし)
(だから言ってるでしょ?!棚町くん人の話聞かなすぎだって)
(悪い。。それだ、先にその事を謝ろうとしてたんだ相沢の言う通りだ
余裕が無さすぎた、考え直そうって思えた、だからちゃんと聞くよ。。)
俺が真剣に口にした途端、相沢の視線が泳いでいたが
誠意は伝わったみたいで、コクりと赤面しながらも相槌はしてくれた
(す、捨てたのは、結果的になっただけで、ほんとは読もうとしたら
人の気配がしたからビックリして、投げたんだと思う、それでそのまま走って逃げちゃっただけ。。)
(担任のラブレターを笑ったのは?)
(あれは、。。そのあと、書こうとしたから恥ずかし笑い。。便箋も作ってたし)
(。。。)
聞きながらあの時の事を思い返していた、確かに、相沢は慌ててたし、読もうともしていた
それで、ごみ箱に入ったのを知らずに、逃亡した。。これが実際の事らしい
その先の気になる点もあったけど、相沢の口から聞くのを待った
(それで、手紙が無いのにも直ぐ気付いて、また戻ろうとしたら
さっちゃんが拾ってきてくれて、あっ!もちろん、中身は読んでないって言ってた)
(さっちゃんって高橋か?幼馴染みの?)
(そうそう。。これが事実だよ?)
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